一九七九年五月二十七日
ニューヨーカーホテルにて
神のチャンピオン
一九七九年五月は、約婚したばかりのカップルにとって、忘れられない月になるだろうと思います。この約婚は復帰摂理上、きわめて重要でもあります。御存知のように、神は人間の堕落のためにこの地上に天を中心としたカップルをみつけることができませんでした。それは堕落した世界の宿命でもありました。神にとって、すべての堕落した歴史は否定すべきものであり、多くの家庭や国家があっても、それらに神は同意や承認を与えることができないのであります。
神は御自分を中心とした、理想の男女をみいださなければなりません。そのような男性と女性は尋常な男女ではなく、この世にうち勝ち、かつ堕落圏をのり越えることにより、勝利的な基準をうちたてた男女です。神の立場からみるならば、すべての歴史の目的は、神の理想にかなった一組の男女をみいだすことであった、と言っても過言ではありません。神は一人のチャンピオンを精選し、彼に堕落した世界、とりわけこの世の家庭と対決させました。その選ばれた人物は、そうした家庭にのみ込まれることなく、それにうち勝たなくてはなりません。その人は堕落した家庭を、征服もしくは分立しなければなりません。
その男性は自分の家庭の祝福や援助を受けながら戦うのではなく、ただ神とともにあって戦っています。彼は孤独な戦いをして、究極的には家庭と対決し、これに勝利します。その勝利の特別の公式は、ずっと世界基準にまであてはまります。したがって、この神の人が現われて、社会にたちむかう時、彼が迫害をうけることは必然的です。ということは、彼はあらゆる基準で神側に立ち、サタン的な要素と戦い、それから分別されるということを意味します。
彼は神側の新しい伝統をたて、あらゆる基準で戦いを勝利し、究極的にはサタン世界を感化し、それをうち負かす新しい伝統を残します。彼はまずまったく一人で戦い、十分権威をつけた時に、はっきりとした立場をとり、サタン世界にうち勝ちます。彼がサタン世界に出ていく時、彼は国家的か世界的基準にむかいます。この神の人は家庭的基準における最も激しい戦いで訓練され、彼が最終的にサタン世界に赴く時、それは国家的・世界的基準におけるものとなるわけです。
神の戦略はどのようにしてこのようなものでなければならないのでしょうか。彼が国家や世界の迫害をうけ、それにたちむかう時、彼と家庭基準で一体化した人々は彼の戦いを支援するようになります。このアベル的人物は、国家基準のカインのもとに送られ拒否されますが、そうされることによって、彼は家庭的基準のカイン的人物たちから、協力と支援を受けることができます。このアベルは一歩一歩勝利し、国家的基準で勝利的足場をつくるべく力をつけます。したがって戦いにおいては、家庭基準は常に国家的基準のための基盤になります。もしある理由で、家庭的基準の人々が必要な支援を与えていないならば、神は神のこのチャンピオンが国家的基準のカインに対する戦いを行うのに必要な基盤を与えます。
一度(ひとたび)、国家的基準の勝利が確立されれば、神はチャンピオンが世界的基準での戦いに勝利するように、もう一歩押しだします。彼が世界から拒否される時、彼をすでにうけ入れている国家的基準のカインは支援勢力となり、彼と一緒にその世界的基準の戦いに加わるでしょう。彼らは、彼の世界に対する孤独な戦いを、彼ら自身の国に対する迫害と同じ戦いと感じます。このような一人の人間が神の摂理を全うするために必要であり、彼はその存命中にこれら三つの段階の戦い-家庭基準、国家基準および世界基準-を通過しなければなりません。
もう一人のチャンピオン
このような神の摂理を全うするために送られた人物は、メシヤとして知られています。神は初臨のメシヤであるイエス様がこられる前に、四〇〇〇年の基盤を準備しました。それだけの基盤が、イエス様がこられるために必要な基盤を準備するのに要したのです。イエス様の時代には、ユダヤ教社会に二層の組織がありました。その一つは宗教的既成体制であり、もう一つは政界でした。もちろんイエス様は宗教的基盤の上にこられ、その領域からの支援と力において、彼は反対に直面し、それから政治的領域からの支援を獲得していくはずでした。
イスラエル国家は国家的基準の摂理を蕩減する立場にありましたが、それはローマ帝国の支配下にありました。ということは、イスラエルは国家的および世界的基準を連結するのに理想的な立場にありました。なぜならば、当時ローマ帝国は世界に匹敵していたからです。もしイエス様が、イスラエル国家から宗教的・政治的双方の支援を獲得することができたならば、必然的にローマがイエス様に敵対したでありましょう。
御存知のように、イエス様の宣教の摂理において、主に二つの家庭が重要な使命をもっておりました。一つはザカリアの家庭であり、もう一つはヨセフの家庭でした。もし、この二つの家庭が一体化していたならば、彼らは国家的基準の反対にたちむかうことができたでありましょう。ユダヤ教もまたイエス様の味方になるはずでした。イスラエルには準備された状況がありました。というのは、イスラエルはローマに抑圧され、人々は独立を求めていたのです。イエス様がローマに抑圧されたならば、ユダヤ人はそれに対して、イエス様とともに立ち上がることもできたことでしょう。
そして、その第一歩はユダヤ教がイエス様と一体となることでありました。そうすれば、イスラエルの政治権力もまた、その後に従っていたはずです。ローマによるイスラエル全土の支配は、世界的基準への連結点となったでありましょう。なぜならば、この二つの文化は互いに異質のものではなかったからです。神の計画によると、一度(ひとたび)国家的基準が勝利されれば、よく訓練された勢力がローマ帝国を同化し、サタン的な伝統にうち勝ち、新しい神の伝統をもち込む用意がしてありました。このことのすべてを、イエス様の御存命中になすべきであったということは、とても大切なことでした。イエス様はイスラエルにおいて、家庭基準さらに国家基準、そうして彼自身の存命中に地上で完成したアダムとして、世界にむかうことになっておりました。
さもなくば、神は単なる一家庭や国家だけでなく、全世界にうち勝った神のチャンピオンとして誇ることのできる人間を獲得することができません。しかし、その特別の計画が全うされず、今日まで延長されてきたので、神はそれを遂行するもう一人のチャンピオンを探してこざるを得ませんでした。あらゆる基準で迫害をうけるというこの公式は、二〇〇〇年のクリスチャンの生活の中心的な特徴となってきたのであり、迫害はキリスト教が最終的に世界的に確立されるまで、家庭的、国家的そして世界的基準で加えられてきました。それはメシヤ再臨のための基台となるでしょう。
特別な使命
再臨期には、また別のかたちのローマ帝国が存在するでしょうが、そこには著しい違いがあります。今、国家的にローマ帝国に相当するところは、イエス様の時のようにサタン側ではなく、神側となるでしょう。その主な特徴は宗教的な自由というところにあります。その国は今日アメリカとして知られており、自由世界のリーダーです。ローマ帝国は二〇〇〇年前、自国の利益のためにイスラエルを支配しましたが、現代のローマ帝国は選ばれた摂理的な国を支援する立場にあります。再臨期は、二〇〇〇年前のローマとイスラエル双方の失敗の償いをする時代です。
もし私たちが、アメリカは現代のローマであると結論づけるならば、イスラエルの立場にある国がなければなりませんが、それが韓国です。国際的な政治情勢において、私たちはベトナムにみられるように、アメリカは世界におけるその責任を放棄してしまったとみておりますが、韓国におけるその責任を放棄することはできません。この特別の行政府は、益々孤立主義的になろうとしており、韓国での軍事的かかわりあいから離れたいと思っていますが、カーター大統領でさえそうすることはできません。二〇〇〇年前のローマとイスラエルの関係は、今日アメリカと韓国を通じて復帰されつつあります。このことは、この二つの国が神の摂理において、特別な運命を共同してもっていることを、はっきりと示しています。
神のみ旨を全うするために、アメリカと韓国が特別な運命をもつということは必然的なことです。韓国は北半分を共産主義体制下に、南半分を民主主義体制下においている、半分に分断された半島です。三十八度線は二国間の国境ではなく、二つのイデオロギーおよび二つの異なった世界、神とサタンの間の境界です。あなたたちはこの国に、そのような境界をもってはいませんね。誰がこの境界を守る責任をもつのでしょうか。それは単なる国境ではなく、神とサタンの戦闘における境界であるので、アメリカは韓国がそれを守るのを手伝わなくてはなりません。こういう点で、韓国動乱は民族的戦闘よりはるかに大きなものであり、それは世界的基準におけるカイン・アベルの衝突を表わしています。
共産主義者の工作
共産主義に対して、誰が思想的に立ち上がったでしょうか。統一教会です。統一思想は反共思想の核心です。われわれは韓国からアジア、全世界へと拡大しながら、共産主義の危険性について、人々を教育する任務を行ってきました。今、共産主義者たちは統一教会が彼らの大敵である、と感じています。日本では、今でも共産主義者と統一教会員との熱い対決がおこっています。統一教会は、日本における共産主義の危険性にうち勝つことにおいて、大きな役割を演じてまいりました。
しかしながら、戦いは日本だけに限られてはいません。それは全アジアに拡がり、今やアメリカにもやってきたのです。したがって、それは世界的基準の戦闘であり、世界中の共産主義者たちは彼らの大敵、レバレンド・ムーンに反対して一つになっております。彼らは地方的であるばかりでなく、世界的でもある反対の嵐を、私に対して巻き起こしております。彼らは、世界中に反ムーン運動を扇動しています。そしてそのため、私をアメリカから追い出すことが解決策だろうと思って、努力しています。
しかし、私が既に話したように、今日のアメリカは、神側にあって神の摂理を守り、助ける立場にあります。今日、アメリカはそれに失敗しつつあり、逆に神の敵に安心と援助を与えています。これが一九六〇年以来ずっと、混沌と混乱がアメリカ社会に続いている理由です。神はアメリカで熱い戦闘を行っており、その戦いのピークは一九七六年におこりました。
小さな国である韓国は、是が非でもアメリカの援助を必要としていますが、アメリカはアメリカ社会の絶望的な内的状況をかんがみて、韓国に対する公然とした援助を発表しません。アメリカはみんなに取り入ろうとして、コリアゲートのようなスキャンダルがつくりだされるような、日和見的な状況をかもし出しています。実際それは真実でなく、犠牲者は韓国政府と統一教会です。アメリカ議会の目に、どうして韓国と統一教会の状況が、このように結びつけられるのでしょうか。この衝突は局部的な出来事というよりはるかに大きなものであり、それは世界的な摂理と関係していましたので、アメリカ議会に対するわれわれの戦いは、世界的歴史的な事件でした。
統一教会と韓国が、いっしょくたんにされて攻撃をうけたのですから、それと関係のある人々は生きのびるために、団結しなければなりませんでした。統一教会がアメリカ議会からの攻撃に直面した時、全三千五百万韓国民は憤激で歯ぎしりし、われわれを声援していました。アメリカの反対に直面することにより、統一教会と韓国は実際精神的に一つにさせられました。フレーザー委員会は統一教会を中傷することにより、韓国をノックダウンさせようとしましたが、彼らはそれに成功しませんでした。彼らは何ら具体的な嫌疑を提示できなかったために、アメリカ政府は面目を失いました。この度、カーター大統領は六月に韓国を訪問すると発表しましたが、実際の外交的意味は、同盟国との関係を再確認することよりも、はるかに大きいものであります。それは、コリアゲートという大失敗に対する謝罪旅行です。韓国に対する神の期待は「アメリカの行動におびえてはならない、強くあれ!」というものでした。このような状況において、神の力が大いに働いています。
カーター政権について大胆に、しかも力強く発言することは私の摂理的な立場です。天国が近づいているのだから、彼らは悔い改めなければならない、と私は公然と語っています。明朝には私の語った一言一言が、逐一報告されることも知っているのです。それが個人的には私の利益にならないとしても、私は歴史のために真実を語ることを恐れません。
勝共運動
ちょうどアメリカ政府が韓国政府に対する態度を変えたように、アメリカ国民もとくに七〇五組の約婚後には、急速にレバレンド・ムーンと統一教会についての考えを変えつつあります。それは彼らの理解に積極的な要素を加えました。彼らは、私たちに対するすべての反対により、私たちは敗れる、私たちは相手にもならないほどの勢力だ、と考えていました。しかし、私たちには今約婚したばかりのあらゆる背景をもった一四一〇人がおります。そればかりでなく、私たちは他の教会やアメリカの家庭が毎日崩壊している間に、このことを全部なし遂げたのです。今や、彼らは私たちについての意見を改めています。
私たちがアメリカの青年たちの間に、霊的な火を再燃させる時がきており、それに私たちのチャンスがある、と私はみております。この霊的攻撃は原研運動を通じて行われており、私たちはアメリカ青年を立ち上がらせるために、キャンパスに行こうとしています。また私は、あなたたちにアメリカの家庭に行くよう、指示しました。私たちはキャンパスで青年たちに、ホーム・チャーチを通じて各家庭と出会います。
私は全国に私たちの立場を説明することにより、私たちがどのような家庭制度をもっているかを、示したいと思っています。アメリカが私たちの立場を認め、支持する時が必ずきますが、その時私たちの目標は国際共産主義となるでしょう。今でさえ、アメリカから反対のようにみえるものも、実は政府の省庁や議会に浸透している、共産勢力の工作員からの反対なのです。彼らは、こうした統一教会非難の雰囲気をかもしだしています。
それでも、彼らは究極的には成功しないでしょう。アメリカは自由を愛するので、基本的には反共です。レバレンド・ムーンと統一教会が、共産主義と戦うチャンピオンとして人々に認められる時、アメリカの人々は自然に私たちを支持するでしょう。私はこのことを良く知っていたので、私たちの最終ゴールを共産主義と定め、勝共運動をはじめ、今アメリカでも勝共活動をやりはじめたのです。今、あなたたちは自分がどこにおり、何をなすべきかわかりましたね。
私たちは、アメリカのどんな宗教組織よりも勝っていなければなりません。原研運動はどのような青年運動よりも、勝ったものでなければなりません。ホーム・チャーチ制度は、過去二〇〇〇年のどのキリスト教運動よりも、強力なものでなければなりません。共産主義は、民主主義と自由の大敵ですが、主として神の敵です。さらに、アメリカ青年の道徳的退廃は一掃されなければなりません。そのため、私は統一原理を通じてあなたたちを教育してきました。ですから、あなたたちは力強く、有能であり、その道徳的見方は確実で清く、神を中心としたものです。それが私たちの強みでもあります。
私たちの使命は、アメリカを神を中心としたその建国精神に立ち返らせることであります。そしてそれで終わるのではなく、世界が神の創造理想にかなうよう、そのために進んでいきます。このような理由から、私は神を中心とした統一世界を宣言しているのです。アメリカは、今なお人種問題を克服できないでおりますが、統一思想はすべての人種的、民族的、文化的障壁を取り除くでしょう。それは七〇五双の約婚で例証されています。これは、私たちがただ一国の基盤だけでなく、新しい世界のための基盤を造成しつつあることを示しています。
私とともに歩む祝福家庭
あなたたちは、歴史上において私が今していることに匹敵する何ものもみつけることができないでしょう。神を中心としてこの思想はたてられ、宣言され、世界的な基準で勝利を得るべく勢いをつけつつあります。私たちに対するすべての反対にもかかわらず、最初の勝利以来私たちの立場は確固としたものになっています。世の指導者でさえ、自分の立場にあるいは自分の生涯と私のそれを比較して、私をうらやましがっています。彼らは私が世界でも最も幸福で、成功した人間だと思っています。それは今一人の人間が世界にたちむかっており、やがて勝利し、はじめて神のための基盤を造成するということを意味しています。これは何の誇張もありません。
二〇〇〇年のキリスト教史は、二十年の私の働きにより蕩減されました。しかしそれを、私は一人でしているのではなく、私の家族も動員しています。縦的な復帰もなければなりませんが、横的な基盤も必要です。四十年の荒野流浪のような、大きな運動がおこっています。私は前線にでておりますが、すべての祝福および約婚のカップルもこれに参画しております。あなたたちは真の父母の思想を相続しつつあり、どのような反対勢力もあなたたちから、この理念を奪うことはできません。あなたたちはいろいろな髪と肌の色をしており、外見は違っていますが、内側はみな同じ色をしています。
神の目からみる時、サタン世界における戦いに勝利し、堕落にうち勝った人は一人しかおりません。それはレバレンド・ムーンです。一九七六年は神の天宙史における勝利の交叉点であり、勝利が完了した年でありました。私は一九七七年にすでに、新しい時代がはじまった地上天国の元年である、と宣言しました。今や一九七七、七八、七九年と、最も重要な三年間が完了しつつあります。一九七九年以降は、私に反対するすべての人々は次第に力を失い、私たちは益々攻勢の立場にたってきます。なぜなら、私たちの敵対者は私たちについて何一つ証明することができなかったからです。私にしっかりとつかまっている者は誰でも、機関車の後に続く車輛のように、丘を越えて、私と一緒に勝利します。私は喜んで私の遺産をあなたたちに残したいと思います。真にこれをうける資格のある人は、今自分自身を真の父母の息子・娘の立場におく人です。それが、私の遺産を相続する資格です。
今月の約婚は途方もない出来事であり、世界中の約婚のグランドフィナーレを飾るものでした。あなたたちの決意はどのようなものでしょうか。あなたたちは真の父母からの遺産を相続し、その基盤の上を歩むべきです。あなたたちがその遺産をうけたということを、どのように世界に告げることができるでしょうか。それは、ホーム・チャーチを通じて、あなたたちがどんなに価値ある者であるか、を証明することによってです。私は世界的にホーム・チャーチの使命を全うしました。ですから、私は、あなたたちに全宇宙の一つの小さな小宇宙、つまり三六〇軒を割り当てました。そしてあなたたちは、私がホーム・チャーチでなし遂げたことをなすことにより、私の遺産をうけ継ぐべきです。私はそのことを神に祈りました。
ホーム・チャーチは父母の遺産
自分のエリヤを訪問する時、あなたたちはある部分は韓国を、またある部分は日本を代表していると考えることもできます。また自分のエリヤを、世界の六大州を代表するように分割することもできます。白人、黒人、黄色人とすべての人々があなたたちを拒否する時、喜ぶのです。なぜなら、それであなたたちは全世界から迫害をうけたことになるからです。私はこの世界的な基盤を造成するのに六年かかりました。もしあなたたちが本当に一生懸命働くならば、それを自分のエリヤで六ヵ月でなし遂げることができるでしょう。ホーム・チャーチでの勝利は、自分を堕落圏から引き上げることになります。そのような権能を、誰があなたたちに与えたのでしょうか。真の父母です。それがあなたたちが真の父母からうける遺産なのです。
真の父母はその生涯を通じて苦労しましたが、その伝統に従い、その遺産をうけることにより、あなたたちはずっと少ない苦労で、その勝利の基準を越えていくことができます。ホーム・チャーチを行うことを尻込みする者は誰でも、その祝福をうける資格はありません。あなたたちの妻あるいは夫が、ホーム・チャーチを行うのをためらうかもしれませんが、その時は彼らを押し出すのです。三年間にあなたたちは、ホーム・チャーチで勝利的な基盤を築かなければなりません。というのは、そこが勝利すべきあなたたちの領域だからです。
私は国家的および世界的基準で迫害をうけましたが、あなたたちは自分のホーム・チャーチで迫害をうけることでしょう。それは人種的な拒否、共産主義者の拒否および民施的な拒否、すべてをひっくるめたものを表わしています。あなたたちは、うける迫害に常に感謝し、それを自分自身が堕落基準をのり越えるように駆り立ててくれる、さらなるエネルギーと考えたらよいでしょう。
あなたたちが約婚後、まだ現実の世界にもどってきていないのが、私にはよくわかります。あなたたちはお互いを知ろうと夢中になっており、顔が変わっています。あなたたちが自分のフィアンセと会う時、あなたたちがなすべきことはホーム・チャーチでいかに勝利すべきか相談し合い、それぞれがホーム・チャーチで勝利するため出かけ、戻ってきて、自分たちを祝福してくれと私に頼もう、と決意することです。カイン型の子女や、自分の八十四名の氏族をもつという、祝福前に全うすべき一定の条件が、あなたたちには必要です。あなたたちは、すでにこれらのことを全部聞いているのですから、なぜアベルの立場であなたたちが、ホーム・チャーチへ行こうとしているのかがわかりますね。
アベルは、堕落したアダムではなく、完成したアダムの息子です。あなたたちはアダムの子女ですから、アベル側の子女ですが、まだ成熟にむかって成長しているところです。ですから、サタンはどこでもあなたたちを妨害しようとしています。ちょうどエデンの園でみられたように、あなたたちを殺そうと待ち構えているカインが大勢います。では、どうしたらあなたたちは彼らの敵意を阻止することができるでしょうか。愛を実践することによってです。あなたたちに反対することにより、彼らは将来降伏するための条件を提示しているのです。なぜなら反対の記録を残すことにより、彼らは後に頭を下げざるを得なくなるからです。それはあたかも、彼らが事前に自分の降伏文書を提出しているかのようなものです。
あなたたちが全身全霊でもって前進するならば、それを終了するのに三年もかからないでしょう。なぜなら、社会のうけ入れ体制が段々良くなるからです。あなたたちは今、歴史上どの時点に立っているかわかりますか。古い潮流は確実に後退しており、あなたたちを天国につれていく新しい高い潮流が、今入り込もうとしています。潮流が最初に切り替わる時、水はゆっくりと入ってきますが、徐々に勢いをつけ、段々後には誰もくい止めることのできないほどの力で、押し寄せてきます。神もそれをくい止めることはできません。
あなたたちが真にこのような確信の火で燃えているならば、食べることも寝ることも、何も問題ではありません。ただもう使命について気違いのようになります。今、あなたたちはフィアンセ、新しい愛する人を得ているのですから、一層人々を愛することができます。それは、私たちがあなたたちに与えている基準です。あなたたちはホーム・チャーチですごすよりも、多くの時間をフィアンセと一緒にすごしたいと思いますか。あなたたちのアンテナは、ホーム・チャーチにむけられているべきです。そうなっていますか。
ホーム・チャーチは家庭生活の訓練所
ホーム・チャーチは、あなたたちにとって大変貴重な恵みです。というのは、それを通して私は人間の堕落をのり越える条件を、あなたたちに与えているからです。あなたたちは自分のホーム・チャーチを清める潮流のような無敵の力でありますから、反対によって躊躇するようなことはないと私は確信しています。誰があなたたちの証明書に署名するか、知っていますか。私ではなく、ホーム・チャーチエリヤにいる敵対的な人々が、あなたたちを神の人であるかどうか、証明するのです。ホーム・チャーチは感謝すべきものですか。それとも単なる重荷でしょうか。ホーム・チャーチは天国への近道です。もし、あなたたちがそのこと以外に何も心配しないならば、天国をみいだすことでしょう。
ホーム・チャーチは私たちの福音であり、神からの驚くべき祝福です。ホーム・チャーチを通じて、あなたたちはすべてのものをみいだし、復帰することができます。そこであなたたちは神、メシヤ、カインとアベル、そしてすべての歴史的な使命に出会うことができます。それは本当に驚異の世界です。私は、あなたたちが自分のエリヤで尊敬され、あなたたちが自分のフィアンセを連れていくと、みな心から喜んでくれる姿をみたいと思います。このような資格を獲得することにより、あなたたちは真に結婚の行進のために、祝福の広間に入ることができます。
あなたたちは抑圧され、迫害されればされるほど幸福になり、それだけ多くのものを得るようになる、と結論づけることができます。あなたたちは自分の祝福をより貴重なものにするために、多くの苦労をするのです。あなたたちの資格をより貴重なものにし、あなたたちのダイヤをより磨くものは、さらなる苦労だからです。あなたたちのすべての苦労と■難は相対者を迎えることにより、晴らされます。この一つの祝福だけが、そのすべてを甲斐あるものにすることができます。あなたたちの夫あるいは妻は、あなたたちのホーム・チャーチよりもはるかに尊いのであります。ですから、あなたたちが自分のホーム・チャーチのために何でも与えることができるならば、それよりどれほど多くのものを、相対者のためにしてあげることができるでしょうか。あなたたちはすでに自分の三六〇軒に奉仕することにより、訓練されているので、自分の夫や妻にさらにもっと仕えていいはずです。
あなたたちは自分の三六〇軒での、あらゆる迫害に耐えるのです。たとえ、そこのすべての人々があなたたちに反対してきても、それでも彼らを愛するのです。もし後に、神があなたたちを苦しめようと、あなたたちの夫か妻を用いるとすれば、あなたたちはどうしますか。あなたたちはそれに耐えられないといって、彼あるいは彼女を戸外に押し出してしまいますか。あなたたちはすでに非常に多く耐えているので、今あなたたち自身の家庭内で何か困難なことがおこっても、比較してみれば何でもないことです。あなたたちはお互いに絶対忠実であり、夫や妻の欲することは何でもしてあげたいと思うことでしょう。あなたたちは相対者と喧嘩したいですか。私は、サタンがあなたたち二人を扇動して、争いをおこそうとしているのだということを、あなたたちに警告しようと思います。神はサタンに、あなたたちに干渉する許可を与えるでしょうが、それはあなたたちが容易にそれに耐えられる、と確信をもっておられるからです。しかし、もしサタンが勝ち、あなたたちがお互いに憎しみ合うならば、サタンは神の元に戻って行き、どんなに容易にあなたたちがサタンに屈服したかを、満足げに語ることでしょう。
あなたたちが、自分の夫や妻が馬鹿だとか、醜いとか不満に思う時、サタンが二人の間を分裂させようとして、誘惑しようとしているのだと感じて下さい。そして今、私がサタンの侵入について語ったことを思い出して下さい。そうして、心の扉を閉めてサタンを入らせないようにしましょう。サタンが望むことと正反対のことをしよう、と決意するのです。もし、あなたたちがお互いに仕え合い、真に謙遜ならば、サタンは全くたち打ちできません。それで私は、あなたたちに祝福の三年の訓練期間を与えているのです。
もしあなたたちのエリヤで、あなたたち姉妹を苦しい目にあわせるひどい男性がいるならば、心の中でその人を自分の夫と考えなければなりません。もし自分のエリヤに、耐えられない婦人がいるならば、あなたたち兄弟は「彼女は私の妻だ」と考えたらよいでしょう。もしあなたたち兄弟が、そのようなひどい男性に出会ったならば、彼は自分を殺したいと思っている自分の兄、カインであると考えたらよいでしょう。そして、どのようにして彼を自分の味方にすべきかについて、考えるのです。それがあなたたちの義務です。もしあなたたちが彼を自分の味方にすることができなければ、それはまだそれ以上の高い祝福にむかっていく用意ができていないと考えなさい。
ホーム・チャーチは自分の将来の結婚生活のための訓練場である、と感じるように願っております。そして、自分に反対するすべての人々は、将来ともに生活する配偶者や親類であると思って下さい。もしあなたたちが、自分のエリヤの年輩の人々と子供たちを理解させることができるなら、その間に入るあらゆる年代の人々が、自動的についてくるでしょう。あなたたちがホーム・チャーチをはじめる時、比率は一対三六〇ですが、最初の人が伝道されると、それは二対三六〇つまり一対一八〇になります。たとえ、それが一対三六〇から出発したとしても、やがては誰もがうけ入れるようになり、あなたたちのエリヤ全体が一家族のようになるでしょう。あなたにとっては、エリヤ全体が一つの家のようにみえるでしょう。
清き供物
このエリヤで、あなたたちは自分のカイン型家族をつくり、その後自分のアベル型家族をつくる資格をもつのです。一旦、あなたたちのカイン氏族をみいだすと、あなたたちは自分のアベル氏族を確立するようになるわけです。たとえあなたたちの祖先の血統が、ホーム・チャーチのエリヤの人々のそれより劣っていたとしても、あなたたちはそこで必要な条件をたてたのですから、エリヤ中の誰よりも大きな恵みを受けるでしょう。この基盤の上で恵みがあなたたちにやってきて、あなたたちが子女をもつ時、その子女たちはホーム・チャーチの誰よりも豊かな恩恵をうけるでしょう。
堕落世界における復帰路程は、主に三つ考えられます。カイン・アベル、夫婦、そして父母です。今私たちは、はじめてこれら三つを一緒にまとめつつあります。ホーム・チャーチはカイン・アベルの兄弟を一つにするプロセスです。自分のホーム・チャーチと相対者のホーム・チャーチは、やがて一緒になり、あなたたちはホーム・チャーチで賞賛をうけた後、夫婦になります。それが基盤になるのです。二つのホーム・チャーチが一つになることには、天宙的な意味があります。
あなたたちがこのホーム・チャーチの基台の上で、夫婦として一つになり、子女をもつ時、あなたたちは父母の基準にまで上っていきます。あなたたちの子女は、ホーム・チャーチの勝利の基盤の上に生まれ、そこであなたたちのすべての勤労は、彼らにより刈り入れられます。その場合、あなたたちは真に神の祝福を豊かにうけることができる、基盤をもつことになります。カイン・アベルの分立がすでにホーム・チャーチでなされ、もう何の汚れも残っていないのですから、あなたたちは自分の子女を清らかな供物として、神に捧げることができます。しかし、あなたたちがホーム・チャーチで勝利しないならば、その義務と責任をあなたたちの子女たちに残すことになり、彼ら自らがその艱難を通過しなければならなくなるでしょう。
一九八一年三次七年路程の最後の年であり、その年から二〇〇〇年まで、全世界がホーム・チャーチ体制に編成されます。そうすると、真の父母が一九六〇年にたてられてから、四〇年が完了します。私たちがこの地上世界で多くの仕事をすればするほど、地上におよぼす霊的現象はそれだけ多くなるでしょう。霊的協助は強くなるでしょう。ホーム・チャーチは天使界のようなもので、勝利したアダムとエバに仕える立場になるのです。あなたたちはホーム・チャーチにおいて、自分の権限を行使して、自分たちを協助するように霊界に命令するようになります。あなたたちはその権限が与えられているのです。
ホーム・チャーチの勝利的基盤の上で、はじめてあなたたちは、ちょうどエデンの園で完成したアダムとエバが罪なき子女を生んだであろうように、罪なき子女を生むことができるのです。誰もその清い子女にはむかってくることはできません。あなたたちは家庭をもつ前に、これらすべての条件を全うしなければなりません。
きょうは新しい日です。きょうは五月二十七日ですから、あと四日で五月も終わります。もしあなたたちがこれからの四日間で特別な条件をたてるならば、新しい出発ができるでしょう。あなたたちはそれをしますか。そうする者は手を挙げて忠誠を誓いましょう。そうしたならば、霊界があなたたちとともにあり、神があなたたちとともにあるでしょう。今、それを誓うことができますか。神があなたたちを祝福されますように。さあ、お祈りしましょう。