故郷に帰りましょう

 

一九七八年九月二十二日  埼玉県 神川村

 

 ワシントン大会の勝利
 皆さんは五パーセントということを原理で学びましたね。五パーセントのその基盤を、個人としてあるいは自分の家庭として果たさなければなりません。それは自分の氏族に対するためです。日本のためでもなく、世界のためでもありません。自分の氏族に対して忠誠を尽くすような、そのような時代に帰らなければなりません。本来、アダムとエバが堕落せずに、家庭を築き、その家庭を中心として氏族関係がなされるべきでした。しかし、堕落によりなされなかったのですから、それを再びわれわれが果たすことによって、地上に天国実現が可能です。そのように考えると、故郷に帰らなければなりません。しかし、帰るには、カイン的な家庭基盤を勝利した後でなければなりません。カイン世界がまだ残っているからです。アベルが故郷に帰るとは、長男の立場にたち帰ることをいいます。
 歴史が反対になった結果、カイン世界が生まれてきました。そのカイン世界はサタンと繋がって、アベルの世界を蹂躙してきました。個人的に、氏族的に、民族的に、世界的に、歴史を通して、それは習慣性をもってきました。それを蕩減復帰しなければなりません。そのためにはメシヤがきて、世界的な蕩減条件、カインを屈服させた条件を受け継がなければ、到底、何も知らない個人なり家庭が、世界的なカイン圏をのり越えることはできません。イエス様は、世界的な蕩減条件をたたせ、カインを屈服させた条件を人々に受け継がせるために、地上にこられました。イスラエルとユダヤ教が、当時の祭司長やユダヤの族長とかすべてがイエス様と一つになっていたとすれば、まずなすべきことは何かというと、カイン的国家基準を中心とした勝利です。蕩減勝利圏を国家基準において果たさなければなりません。それをなし得てはじめて、イエス様は世界にむかって進んでいくことができるのです。そうして、世界的な蕩減基準を果たした後に、故郷に帰って天国実現の出発がなせるのです。
 ですから、カインの世界を自然屈服させた世界的蕩減条件をかかえて、はじめて自分の故郷に帰って、自分の子女を中心として神の前に立つことができるのです。では、なぜそれを勝利しなければならないのでしょうか。弟の立場にあるアベルが、兄さんの祝福を戦わずして相続しえる道が蕩減の道です。そうして、その祝福を自分の本家に帰って、いわゆるもとのアベル圏、堕落しない長男圏を中心として、個人・氏族・民族・世界にと発展するようにするのです。この過程は先生もいかなければなりませんし、君たちにも同じ公式として残っています。
 それで今まで、統一教会において、自分たちがいくら故郷に帰ろうとしても帰ることができませんでした。なぜなら、世界的アベル圏を蕩減復帰する条件を果たし得ていなかったので、それをなすまでは故郷に帰ることができませんでした。しかし、一九七六年のワシントン大会を中心として、その峠をこすことによって、外的蕩減条件をアベル圏に立たせることができました。それによって、それを中心として、故郷に帰る時代に入るのです。先生自身もそうなのです。先生自身も故郷に帰る時代に入るのです。結局、弟の立場であるアベルが兄さんの立場に立った時、カインは弟の立場に立ち、逆ですね、そうなることによって、神、直接主管圏がなされるというのです。わかりましたか。(はい)。はっきりしないと、今からの話がわかりませんよ。
 ですから、イエス様もユダヤ教が反対したために、自分の親族を中心として、カイン圏とともにそれをなすのです。そのカインが家族基準に基準をおいて、カインが屈服された場合には、個人的基準においてアベルが兄さんに立場になるのです。結局、アベルとしてカインを主管できる、影響を及ぼす、主体の立場に立つのです。ですから、一段階前の段階を進めながら、後の段階でその内的基準を個人基準と内的家庭基準と内的氏族、民族とこのように家族的ながら、世界的に一挙に進めていくのです。ところがイエス様はそれを果たせなかったので、十字架につけられてしまいました。その結果、それはわかれてしまったのです。カイン世界の蕩減基準の勝利を得て、それから帰ってきて、個人的なアベル圏の勝利圏から、家庭・氏族・民族というように再びそれをもとがえさなければならなくなったのです。
 それで、先生を中心としてキリスト教の文化圏、アメリカを中心としたそこまで、ずっととりつないで勝利をなしたのです。それで故郷に帰って新しい出発をなそうというのです。そうなれば、結局、その国は自動的に影響をうけて、自然に歩調をあわせるようになります。ヤコブがヤボク川で天使長と戦って勝利した結果、エソウが屈服するようになったと同じような結果をもたらすのです。ですから故郷に帰って、本格的に収拾の仕事ができるのです。それが原理観です。ですから先生は外的世界的基準を立たせることによって、アベル圏を屈服させたことによって、内的において、国家基準のアベル圏を立たせることができるような時代に入ったという結論になります。


 ホーム・チャーチ
 そうすると、君たちはどのような立場に立つかということです。それはイエス様の時と同じように、一段階あとを中心として摂理を進めることができるのです。イエス様がなくならなかったら、アベル圏とカイン圏が一段階ずつあとになって摂理が進んだのです。アベル圏が家庭的に勝利した場合には、直ちに個人基準を帰ってきて果たして、それから繋がらせて、次に氏族基準をその勝利した家庭基準を中心として一段階進んでなすのです。先生が一段階前に立つような立場で、君たちは先生より一段階後についてくるような立場だというのです。
 そのような観点からみた場合、今、世界的蕩減をなしえたのですから、それはカイン的な世界とカイン的な国家とカイン的氏族、カイン的な家庭とカイン的な個人を勝利的に終えたということですが、それを逆の方向にアベルがとりつけて、それをそのまま天的なものとかえて立たせることができるのです。わかりましたか。(はい)。そのような道をいかなければなりません。
 それで今、統一教会においてはホーム・チャーチ運動を展開しています。日本ではホーム・チャーチのことを何といいますか。君たちは、直接自分の故郷に帰って、そこでホーム・チャーチをつくればいいじゃないか、と思うかもしれませんが、そうはいきません。カイン圏の氏族圏を復帰した条件を、君たちも五パーセントとしてもって、そうして故郷に帰るのです。そうして故郷の地から天国をはじめるのです。カインの地からはじめるのではありません。もともとエデンの園においては、故郷から天国をつくるようになっていました。しかし、堕落の結果、カイン世界が生まれてきたので、その蕩減の基台をつくるために外に出て、そうして帰ってきてアベルの故郷において天国を建設するというのが、復帰における原則です。その道をあなたたちは行かなければなりません。
 今まではいくら自分たちでホーム・チャーチをつくろうと、一人ひとりが三六〇軒を決めたとしても、天がそれを認めてやることができませんでした。もう既にサタン世界のものだから、何の条件も立っていない世界だから、それをいくらホーム・チャーチとしても、サタン主管内にあるので神の主管内に入ることはできませんでした。しかし、今は勝利の結果、ホーム・チャーチとして決めた場合には神が認めることができるのです。そして、その基準は国家を越えています。日本人がホーム・チャーチをアフリカにつくるとしても、日本は世界的アベルの立場に立っているので、それができるのです。そこにつくって勝利して日本に帰ってきても、日本の地につくったのと同じだというのです。ですから、国家基準をこえてどこへでもホーム・チャーチをつくる時代がきました。
 それから、ホーム・チャーチをつくるとしても、昔のように生命をかけて戦うようなことはありません。もう既にカイン圏が屈服した条件がありますから、ただし、あなたたちの条件基準が完成されるまでには反対がありますが。五パーセント圏内の反対があるということです。先生が攻撃時代に入ったと言ったからといって、君たちも攻撃できるというわけではありません。外的な蕩減の勝利基盤を得てから、ある天の立場に立って攻撃するのであって、カイン圏は攻撃できません。神の立場でなければ攻撃することができません。そのアベル圏に帰るまでは文句を言ってはいけません。すべてを感謝しながら、自然屈服させるのです。全体が自分と一つになるようになってからこそ、アベルの勝利圏をかかえて、共にエデンの園に帰るのです。


 カイン復帰圏
 復帰路程において、蕩減を勝利した場合には縦的だけでなく、横的にサタン世界が外的なカイン世界と内的なアベル世界にわかれるようになります。横的にアベルの世界にわかれていくことができるようになったのだから、蕩減が終わったというのです。わかりましたか。(はい)。その路程は誰でも行かなければなりません。すべての人々を神のみもとにつれていかなければなりません。今から、統一教会、祝福家庭はとくにその使命を果たすのです。総進軍しなければならないのが、一六一〇双のゆくべき道です。結局それは、日本を救うことでもあるのです。このようにして働く人たちが沢山帰ってくればくるほど、横的に繋がれ、日本の地は復帰の園にまき込まれてしまいます。その仕事を今、あなたたちがしなければなりません。
 イエス様の弟子たちは血統的には何の関係もない、外的な霊の子女でした。天国建設というものは、外的な子女を中心としてつくるのではなくして、直接の自分の血統を受け継いだ子女を中心としてつくるのが原理原則です。霊の子女とは結局、何かというと、天使長圏です。平面的地上においての天使長世界です。実体天使長です。それを勝利するということは、アダム・エバの立場にあるアベルと完全に一つになり、絶対服従するということです。アダム・エバに反対し、堕落させるような天使世界ではなく、アベルの立場にある者に絶対服従する、実体の天使世界にあたるのがカイン復帰圏であり、霊的子女圏です。この内容ははっきり理解しなければなりません。アダム・エバが堕落する時の霊的天使世界が、復帰時代において実体の天使世界に展開した立場が、カイン圏であり霊的子女圏です。もともと天使界は天使長を中心として一体となり、アダムを中心として天使長は絶対服従しながら侍っていくべき立場でした。
 そのような使命をもった天使長圏ですから、自分の子供が生まれる時には、三人の天使が称えるようにみんなでもって面倒をみてくれるような、すべての責任をもって命がけで守ってくれるような、そういう責任を果たすべき立場がアベルに対しての天使長圏であり、霊的子女であるということをはっきり知らなければなりません。
 カインを屈服させなければ、アベルの勝利圏は生まれてきません。それで、先生が世界的カイン蕩減勝利圏をなし得たことは万民に通じるのです。統一教会を信じれば先生のその勝利圏をうけることができるのです。しかしそれは親がなし得たことであって、自分は何も果たしていないのです。罪にも親のなした罪と自分のなした罪があるように、自分の五パーセントを蕩減しなければなりません。アベルが勝利圏を得るには、カインを屈服し、絶対に一つにならなければなりません。なぜならカイン圏というのは、アダム・エバにおいての天使世界と同じだからです。堕落によって堕落天使圏が生まれてきたのですから、それを収拾する責任があります。それはカイン圏に対しての伝道です。それが霊的子女圏です。わかりましたか。(はい)。
 それで完全に一つになって、もとの故郷に帰ってアベルの位置に立つというのは、堕落しないアダム・エバの立場に立ち帰ったことになります。そうすると、横的立場にある霊的子女、すなわちカイン圏は堕落しない前の天使世界の実体圏になりますね。その実体圏がアダム・エバのかわりであるアベルに対して絶対服従しなければ、実体天国は実現されません。それが原則なのです。それをあなたたちがなしていかなければなりません。ですから祝福された君たちはアダムの八人家族とか、ノアの八人家族とかを求めているのです。それを氏族圏に繋がらせる基準が十二弟子と七十二長老です。それを中心として国家関係を繋げなければいけません。そのような内容を勝利的に繋げて世界を代表した、勝利したという証明をもらわなければ、故郷に帰ることができません。
 このような内容を勝利して自分の実家に帰るということは、平面的に再臨したと同じような結果です。ですから、一体となって自分の直系を中心として、新しい家庭から新しい天国に進んでいくのです。今からあなたたちはその道を行かなければなりません。何年も前から「伝道せよ」と言っているのに、何もしていませんね。本当は三人の信仰の子女をもって、彼らが親として侍り、生命を捧げるような連帯感をつくった後でなければ、アダム家庭は復帰されません。それは原理です。それは家庭的復帰の基準です。それから十二弟子を中心としては、氏族復帰の中心です。そうして七十二長老は民族的復帰の中心です。そうしてこれらを蘇生・長成・完成と一まとめにして、はじめてその国内に地上天国をつくることができます。家庭的・氏族的・民族的基準がみんな繋がっているので、国を救うそのような働きかけをすることができるのです。そうでなければできません。これは復帰の道をいくわれわれに与えられた、原理の絶対的公式路程です。わかりましたね。(はい)。


 世界に通じるホーム・チャーチ
 それを、十二弟子と七十二長老をプラスして八十四名を七年間に伝道するのです。一ヵ月に一人伝道しなければなりません。そのような条件を提示したのも、原理からみて、そうやらざるを得ないからです。それは七年間でも三年間でも、七ヵ月でやってもいいのです。それは自分の歩みによって左右されるのです。そのような外的基盤をつくった後に、故郷に帰るのです。カイン圏はサタン圏なので、もう迫害したりしたのですが、自分の故郷に帰った場合には、自分の兄弟と兄弟因縁の延長圏ですから、そういうことはありません。勝利して帰ってきたアベル圏の立場を迎えるのですから、歓迎すればするほど祝福されます。カイン圏はアベルがきたのを迎えれば迎えるほど、みんな奪われるので反対するのです。アベル圏に帰っていった場合には、自分たちが祝福されるのだから大歓迎です。そのような時代になります。その氏族にメシヤがきたということになります。メシヤは祝福をもってくるのです。しかし、カイン圏にアベルが行くというのは、復帰のためにいくのですから、彼らからみれば奪われる、という立場ですから、生命をかけて反対するのです。ですから、今まで宗教の歴史は血を流さざるを得ませんでした。わかりましたか。(はい)。
 君たちもこの過程を家庭をひきいて越えなければなりません。それでは、ホーム・チャーチというのは一体何でしょうか。先生が世界的に勝利した、あらゆる氏族、民族、国家的基準を統合して縮小した、世界を代表した縮小基盤であるというのです。それは世界の主権を縮小した基盤であり、世界の人種を縮小した基盤であり、各民族を縮小した基盤です。ですから、ここにおいて勝利した場合には、カイン圏の家庭ばかりでなく、民族、国家、世界にまで通ずるというのです。故郷に帰っても、それは世界にまで通ずるアベルの圏に、勝利的な圏であるのです。ですから、反対されずして、世界復帰まで拡大することができるのです。ですから、何としても自然屈服しなければなりません。力でもって屈服するのではありませんよ。
 これが今から三年間において、あなたたちの果たすべきみ旨です。もともとは三年前にそれを果たすべきです。祝福された場合には、直ちに故郷に帰って天国を建設すべきであるにもかかわらず、君たちはそれを果たしていませんね。それを外的に果たして、内的な基準を立たせるために、新しく故郷に帰らなければならない運命を残しているのです。ですから、明日からもちろん自分の職場に帰るのだけれども、この原理原則の過程はいつでも残るということを考えなければなりません。いくら職場をもっていても、それはこの世で生きていくための職場であって、天的因縁をたたす職場ではありません、外的日本・世界に通じる道を繋がらせる、そのような因縁の職場であっても、自分直接の天宙復帰の職場にはなっていません。そういう立場でありますから、誰でもが三六〇軒を決めて活動することによって、世界的な蕩減圏を授けられるということですね。
 その圏内において、三六〇軒のどの家でもあなたたちが歓迎されるようになれば、勝利した勝利者として、将軍として、アベル圏に帰ることができるのです。もしも君たちがこの基準を立たした場合、故郷に帰って復帰すれば問題はありません。三六〇軒は自分のために援助する天使長です。自分を本当に慕うようになり、何でも聞くようになれば、これは三年も期間はかかりません。もう三ヵ月以内にも復帰できるのです。そういう素晴らしい時代になりました。ですから、これを天国に繋がらせるには、カイン圏を復帰して勝利的な基準をもって、アベル圏に帰るのです。まさしくそのように、先生はアメリカを中心として、イギリスを中心として、世界的基準の勝利をして、今、韓国に帰るのです。先生は韓国に帰って聖地で、そのような祈りをするのです。
 もう、先生は世界のどこへ行っても、歓迎する国があったならば、その国が直接祝福される、そういう時代になってきているのです。ですから洗礼ヨハネ国家は世界のどこにも決まっていません。今までは国家基準における蕩減基準と歴史的な伝統のゆえに、韓国でやってきましたが、今はどこへ行っても神のみ旨は成就します。ですから、先生にはどこでもアベル国家圏が待っている、そういう時代圏になりました。これは死ぬ前までに絶対的に行かなければ、霊界にいってから先生のところに来られません。祝福家庭として天国に入る道はちゃんと開いていても、あなたたちは進んでいくことができません。そのような内容があるので、先生は命がけで昇ってきました。命がけですよ。
 今から、三次七年路程をこえれば、統一教会はもう迫害時代を完全に越えることができるでしょう。日本でももう限界に達しているでしょう。アメリカもそうです。反対するのはソビエト・共産主義だけです。ですから、復帰時代が早まるようになってきました。君たちは氏族的アベル圏をつれてカインの世界に行って、屈服させることによって天使長の実体世界を復帰することになります。それはカイン圏であり、霊的子女圏です。天使長が保護し守ってくれる基盤をもつべきところが、堕落しないアダム・エバの立場でありました。しかし、今はアダム・エバとちがうのは、実体界で勝利する方法があることです。


 先生のきた道
 イエス様は自分の母親に対して「女よお前と私は何の関わりがあるか」と言い出しましたね。マリヤの息子であるから、先にマリヤにみ言を伝えるべきなのに、イエス様は何も言いませんでした。そうして外的世界をおこそうとしましたけれども、追いに追われて十字架につけられたのです。宗教の道はカイン圏をはじめに救うために、故郷を出ざるを得なかったのです。仏教では出家というでしょう。なぜ出家しなければいけないか、あなたたちはっきりわかりましたね。(はい)。それで先生が六〇年から今までやってきたことは、みんな蕩減復帰なのです。先生の家庭を中心として七年間は蕩減期間でした。その勝利圏を受け継がせるために、七〇年度から三年間韓国の祝福婦人を荒野の野に追い出しました。三年間はそれはもう大変なことでした。祝福して苦しい苦難の道の中に何とか生活基盤をつくりかけたのを、ほうり出させて追い出したのです。それは父母がなしたのですから、子女としての基盤をつくらなければ、即ち氏族的基盤をつくらなければ、民族的な復帰に通ずる道は生まれてきません。
 先生はそういうことを七二年まで勝利的に終えてから民族的に通じて、世界的にまで拡大するために、アメリカ作戦にのりだしたのです。国を捨て、教会を捨てて、すべてを捨ててカイン世界を訪問していきました。そうして自然屈服を目指して戦ってきました。君たちもそれを目指して戦っていくのですよ。やれますか。(やれます)。それをつくらなければ生活はできません。イギリスでこういう祝福家庭がいました。年をとっていたので、百二十日条件期間が終わってから、イギリスの教会長のところにきて「もう期間がすぎたので、自分たちは家庭生活に入りたいと思いますが、どうでしょうか」とたずねたそうです。教会長は「三人の霊の子女の基盤に立たなければ、家庭が成立できない」と答えたそうです。それは原理の教えです。
 カイン圏を復帰できない場合、いくら子供を生んでも愛することができません。だから先生は長男の聖進様が地上に生まれても、カイン圏が復帰できなかったのだから、愛することができませんでした。それで母子ともに放りっぱなしにして、北韓に行って民族的な復帰基盤をつくらなければ、帰ってきて氏族的基盤あるいは家庭的基盤を保護することができませんでした。そういうことから、あのような運命になったのです。厳しい道がありました。先生は聖進様が生まれた時、キスもできませんでした。そうして生まれて二ヵ月以内にわかれてしまいました。手紙一本も書きませんでした。書けば神が保護してくれない、それは無慈悲な道なのです。そうでしょう。出家した者がどうして後をふり返ってよいでしょうか。ソドム・ゴモラを出る時のロトの妻と同じように、もし出発する者が後をふり返るとすれば、それは奪われるということを知っているので、無慈悲に七年間帰りもしませんでした。その間にいろいろな問題があって、今の統一教会の副作用をきたしているのです。
 六〇年を中心として国家的な体面を正すような基準をたてて、お母様を迎えて本格的世界宣教の開拓をして、二十一年路程に進むようになるのです。だから、君たちもそうです。基盤がなければいくら愛しているといっても、子供を生んでも愛することができません。ですから一心同体になって、その蕩減条件を今から立たせなければなりません。そういう原則があるので、先生もあのような苦労をしてきました。自分自身がそういうことをなし得ないで、サタン世界に蕩減の基準を立たせよ、と命令する資格はありません。今からその道をあなたたちも行かなければなりません。その基準までには二人がともにはげまし合って、一人は西の方、一人は東の方にと、カイン的自分に負わされた蕩減の基準を越えて、更に大きなみ旨のために、こういう運命であるとして汗し血を流すまで戦っていかなければなりません。しかし、今からはそうむずかしくはありません。熱心にやれば七年もかかりません。七ヵ月で完成です。そうむずかしいことではありません。


 僕の道
 今日の標題は「故郷に帰りましょう」というんですね。ホーム・チャーチをつくるにはすべてを投入するのです。真心を尽くして、二十四時間すべてを投入するのです。自分の宝物も、生命まで投入する時に、何がほしいものがあるでしょうか。ですから奉仕です。堕落した天使長を復帰するには、彼よりも下の下にいかなければなりません。堕落と関係ない神様に侍るようにしなければなりません。怨讐を神様のようにして侍るのだから、それに反対するサタンの条件は何もありません。自分を中心としてサタン的な要素をもっていれば、サタンはそれと相対基準をむすぶことができるのだけれども、天の立場に、完全に超越した心情基準をたたせるならば、サタンは相対基準をむすぶことができません。私たちが天的心情基準に立つ、それに比例してサタンは減少するのです。そうするとサタン世界は減少してきます。最初は十対一で十分の一が神側に帰ってきます。そしてその蕩減期間がたてば十分の三がかえってきます。また蕩減がすぎれば十分の七がかえってきます。十分の七が帰ってきた場合には、あとはいっぺんに帰ってきます。それには三年かかります。
 ですから僕の道をいくのです。朝早く出かけて、夜遅く帰ってくるような、女中の中の女中になれというのです。僕の王様になれというのです。それが神様に通ずるのです。素晴らしいことですね。神様になれと言われればむずかしいのですが、僕の王様になれば、神様の立場に通じるのです。汗し、涙して、不平を言ってはいけません。希望をもって、黙々として、三年路程を通過していけば、先生の言うとおりにやれば、必ず勝利できます。それは、みんなを占領します。実に素晴らしいことです。三六〇軒を訪問しても、最初は「統一教会、この野郎!」とつばをかけられたり、いろいろあるでしょう。でも黙々とやるのです。一つの峠を越えたら、また蕩減の峠がむかえにきます。待つのです。個人が青年が反対し、町内会長が反対し、市長が反対し、全体が反対します。そのためには、祈りとともに霊的サタンを屈服させるのです。そうすれば必ず実体的にも屈服してきます。そういう現象が必ずおこってきます。そうしてあなたたちにどういうことがおこってくるか、ということをみんな教えてくれるようになります。そうでなければ、あなたたちは霊界を開拓する道を発見することは絶対できません。そこに感謝しえる自分にならなければ、神様がいます、という体恤は絶対にできません。その蕩減条件の絶頂に達すれば、良くやった、と必ず賞賛を授けます。
 あなたたちがやれば三年間もかからないでしょう。原理を良く知り、世界観を完全にもち、共産主義を砕くような実力をもっているあなたたちなら、三ヵ月以内にそれをやることができます。それで、アメリカでもホーム・チャーチの活動のためにいろいろビデオ・テープをつくったりして準備をしています。みんな、故郷に帰らなければなりません。イスラエル民族はなぜ世界の果てまで追い出されたのでしょうか。それは世界の果てまで行って、蕩減条件をたたせて犠牲になりなさい、という天の願いがあったのです。そうすれば、二千年の歴史においてイスラエル民族は完全に世界を消化し得てあまりありました。ところが、イスラエル民族は、自分たちは選民であるから全世界がイスラエルの足もとに支配されると思ったのです。それが間違いでした。蕩減条件を立てて基盤をつくって、そのような立場に立つにもかかわらず、基盤もつくらずに、自動的に従われることを願うというのは、欲心に満ちたサタン的な考えだから、必ずやられてしまいます。


 サタンが書く合格証書
 では、君たちはどこへ行くのですか。故郷ではありませんよ、出家するのです。統一教会を出ていくのです。イギリスでもホーム・チャーチの伝道をするのに、みんな教会から追い出しました。アメリカの神学生もロンドンの教会本部に到着するやいなや、ロンドンの町に「まわれ右!」と伝道にいかせました。そうして、一週間以内に住いをみつけるように、みつけた者は教会に帰ってもいいという命令をだしました。教会を出て、国を出ればもっと素晴らしいのです。そういう意味で外国人と結婚するのは素晴らしいです。世界的な基準において、自分のカイン復帰ができるでしょう。かわるがわる旦那さんの国に行って奥さんとともに伝道し、次は奥さんの国に行って旦那さんとともに伝道するということができるでしょう。それを神は認めることができる時代になったのです。素晴らしいことですね。
 統一教会を後にして君たちはどこに行くのですか。カイン圏に行って伝道をするのですね。カイン圏は天使長圏であり、霊的子女圏です。それが一つになって神を称え、万民を称えるような立場に立てば、堕落しなかったアダム・エバの立場にたち返ることになりますから、エデンの園に堂々と帰ることができます。カインを屈服させて、長男として生まれた彼を次男の立場に立たせて、自分は長男圏に立って、神の全体的相続をうける原理的自分になるのです。今から三年路程でそれをつくるのです。そうして三年後に祝福するとともに、家庭生活をするのに、どこに新居をかまえますか。カイン圏ではありません。アベル圏です。それが原理なのです。何か間違いがありますか。ないですね。堕落しない本然の愛はサタン世界でなすべきでなく、本然においてなすべきです。そうでなければ、流浪の民として、イスラエル民族のような苦労を家族をひきつれてなさなければなりません。原理観からいえば、その基準ができるまで、できれば子供を生まない方がいいのです。これは先生の意見ではなく、原理なのです。その条件を満たすために、生涯を犠牲にして、霊界も犠牲にされたし、イエス様も犠牲にされたし、先生も犠牲になって、ここまでやっと辿りつきました。やっとです。容易く辿りついたのではありません。
 再創造は誰がしてくれるのでしょうか。サタンがしてくれます。実体のカインと霊界の霊的サタンが再創造をしてくれるのです。再創造の合格証明書は神様が書くのではありません。サタンが書くのです。そういう原理的な再創造の役割をサタンがしてくれるので、神様はサタンを追い出さないのです。結局、神様はサタンを利用しているんですね。使っているのです。今、共産圏は民主主義を打っています。共産主義はカイン圏です。民主主義は共産主義に「わたしよりも、万民に対する責任を果たしていないじゃないか。これは民主主義でない」と打たれています。サタンの攻撃にひっかかるのです。統一教会はそうではありません。すべてを犠牲にして、神を神として立て、万民を神の子女としてひきいていくのです。ですから、共産主義に負けるような天民ではありません。共産主義に追い払われて、退いてしまうような統一教会ではありません。
 しかし、先生の言う原則通りになし得なかった場合には、やられてしまいます。統一教会も例外にあるのではありません。同じ公式が適用されます。死力を尽くして頑張るのです。民主主義世界のカイン圏勝利は、西洋の自由主義世界の勝利圏になるのですが、全世界、共産圏までの勝利圏にはなりません。私たちが真心を尽くしてやれば、共産主義は滅びます。実におかしなことに、国際共産主義は、今や民族的共産主義になっています。日本もそうでしょう。日共があるのに革マルとか赤軍とかいろいろあるでしょう。民族的共産主義におちていくんですね。統一教会が民族基準から国家基準、世界基準へと上っていったのだから、そうなったのです。あなたたちが自由世界にホーム・チャーチをつくり出すようになれば、共産党はいく所がありません。足場を完全に失ってしまいます。ホーム・チャーチを一軒一軒回っていけば、誰が共産党かみんなわかります。完全に整理ができます。足場をなくしてしまいます。天国建設はこのことをなしていくことによって、自動的に建設されます。世界万民を兄弟愛で結んでいく、そこが天国の場です。今から三年後に、間違いなくそれを果たすと決意する者は手を挙げてごらんなさい。(はい)。間違いありませんね。


 三六〇軒を愛し抜く
 あなたたちはいろいろ責任分担をもっていますが、それは二次的です。外的使命で、全体的に役立つのですが。すべてを犠牲にして、一番にこれを果たさなければ、結婚も家庭も仕事も何にもなりません。だから、原理を知らなければなりませんね。君たちは原理の力がないのでちゃんとビデオ・テープをつくって、原理講義をするように準備しています。本をみて解説するような原理の実力があれば、みんな一人ひとりにホーム・チャーチ三六〇軒が指定されるのです。われわれ自体が天国をつくるような、そのような時代圏に入ってきたということは、ありがたいことです。三六〇軒という天宙条件圏を受け持ったということは、実にありがたいことです。そこから氏族が生まれてくるし、民族に通じることができるし、そこから国家に、世界に、天宙に通じることができ、それから神の心情世界に通ずることができます。この三六〇軒のためにはいつでも命を捧げることができる、というのがイエス様の思想です。
 三六〇軒の人々に歓迎されるようになれば、合格ですね。三六〇軒のある家の屋根に蜘蛛の巣があった場合は誰の責任ですか。天国のように愛するのです。天国のように愛すれば、まさしく自分の天国が生まれてきます。ある条件圏に立った場合には、霊界の善霊が動員して直ちに復帰されます。嘘ではありません。やってみなさい。自然屈服圏をつくって、自分の活動圏とするのです。そうして、四方八方に食口たちが連結するのです。三六〇軒に反対する者はサタンです。あなたの一族は三六〇軒を命がけで死守して、天国の基台とするのです。そこに不良少年がいた場合は、あなたの責任ですよ。そこで勝利した場合には、故郷に帰っても自然に「はい、はい」とあなたの言うことを聞くようになります。
 ですから、久保木会長は全食口にそのように指導するのです。今回、先生が来日したのは、全食口がその基盤をもつように願って、それを伝えるためです。久保木会長も、小山田副会長も、教会長も例外ではありませんよ。例外はありません。世界に責任をもった文先生だに、その基盤を果たすために血を流し、汗を流し、このように腰がまがるまで働いてきたのですから、例外はありません。責任者たちは「自分はアベルだからカインは絶対的に服従せよ」と言う権利はありません。そう考える者があれば、それは先生の敵です。わかりましたね。
 その基盤の復帰です。旧約時代の前時代は僕の僕の立場からはじまります。便所掃除からはじめるのです。先生も僕の僕の道をきました。先生もそうしたのですから、君たちもやるのです。いくらえらい者でも、先生の前にそうしなければ身動きができません。そうして日本から伝統を正さなければいけません。東洋の一角の日本でそのような伝統が正されれば、世界はそのままついてきます。ですから、先生は日本を重点的にしています。
 一六一〇双、一六〇〇は四{し}・四{し}、十{じゆう}六{ろく}ですね。四の四倍はサタンの数の全体を代表するのです。それに十数を加えたのです。それは主体性が残るようになったのだと感謝するのですね。今日の標題は「故郷に帰りましょう」です。先生も勝利しなければ帰れません。勝利したのですから、帰るのです。妻に、夫に手紙を書く前に、自分のホーム・チャーチにはと考えるのです。妻に三枚手紙を書くとすれば、一枚ぐらいはホーム・チャーチの誰かに書くのです。夫に手紙を三枚書くとすれば、その三十倍をホーム・チャーチに書けば書くほどいいというのです。誠を尽くすのです。それをうちの旦那さんは自分に無関心で、一ヵ月たっても手紙がこない、字が書けないのかしら、と思うのではありません。
 旦那さんはどこに住んでいるかわからないほど三六〇軒の方々をまわっていると聞けば、さびしく思いませんね。最初、百二十軒ずつ訪問すれば、三日間でみんなまわってしまいます。まわりながらABC・上中下とランクをつけるのです。赤いえんぴつはAの上、Aの中は青でもいいし、一番記憶するのに良いように印をつけるのです。二回目にまわって、AがBになることもあるし、CがBになることもあります。そのようにして何十回も訪問するのです。そうしていろいろと調査するのです。そうして三六〇軒とともに生死を決するような戦いを展開するのです。それが統一世界をつくる基本的戦略です。ここで負ければ基本的敗北者になり、勝った場合には基本的勝利者になります。敗北者には同情する者は一人もいません。天も地も、地獄だに、サタンまでも同情しません。先生は敗北の悲惨さを良く知っているので、歯をくいしばりながらも、生涯をかけて戦い続けてきました。はっきりわかりましたか。(はい)。
 そうして故郷の地に帰って、両親の歓迎する中で、涙ぐみつつ、サタン世界のカイン圏を復帰するために苦労した証しをするのです。そうすれば兄姉たちは涙を流します。ああそうだったのかと。そういう弟・妹に同情せずに反対した悪い親だった、悪い兄姉だったと後悔します。天地を動かすようになります。そのような心の基盤により、天国が直ちにつくられるのです。そうしなければならないのが祝福家庭の使命です。愛はサタン圏において住むものではありません。今まで先生は、三次七年路程におきましても、家庭をひきいながらも条件の基準を残していったというのです。君たちを先生の子供以上に愛した条件を立たして、またお母様に対しても何をやってやるにしても、食口に対してそれ以上になしえた結果において、やりました。それをみた場合、同情するような立場に立ってやってきました。原理原則に逆らうようなことは絶対しないという生涯を今、送っています。ですから、いまだに先生は負債のない道を行こうとしています。みんなの中に、先生に不平を言う者がいるでしょう。それは知らないからです。知った場合には、不平どころではありません。泣きながら感謝するでしょう。
 三年間そのようにして、故郷に帰って働き得るようになれば、五分の一も時間がかかりません。何でも復帰することができるのです。ここにいる食口ばかりでなく、日本の全食口を徹底して教育して、即時にこのような活動を展開するようにしなさい。家庭をもつ前にそのような基盤をつくって完成すれば、家族づれで故郷に帰れる、素晴らしい時代です。三年間において収拾するのです。今回、先生が日本を訪問したのはそのようなシステムにするためです。先生はこれをはっきり教えて、やらせる使命があるし、君たちははっきり知ってやる使命があるのです。わかりましたね。誰でもがその使命にのり出し、責任者たちはそれに気合いをかけるような働きをしなければ、日本の将来がありません。わかりましたか。(はい)。
 今から教会を出て、三六〇軒内に住み、そこから学校、職場に行って活動するのです。その基盤を中心として氏族復帰、民族復帰と拡大していくのです。すべては自分の決意によって決定します。みんな競争ですよ。女性は旦那さんが手紙をくれないとブツブツ不平を言ってはいけません。男性もそうです。どんなことがあっても感謝するような者にならなければいけません。三六〇軒に忠誠を尽くし、天に奉じえる道が相対者より先立った場合、それでもいいというのです。それは将来の成功と希望につながっているのです。そのような希望をもって、今から出発するのです。故郷にむかって出発しましょう。わかりましたね。ではこれで先生のお話を終わります。