完全なる理想の実現

 

1982.2.6


御存じの通り、統一教会のメンバーは理想をもっています。では、世間の他の人々はどうでしょうか。彼らもまた理想をもっています。アメリカ人もドイツ人もどの国の人々も皆、理想をもっています。過去の人々も現在同様理想をもっていたし、未来の人々もまた理想をもつでありましょう。


 動物はどうでしょうか。動物は道徳とか正義とかいったようなことを理解できるでしょうか。答えは否です。動物はただ周囲の情況や環境に即応する直接的な欲望のみです。本能はちょうど、どうやって穴を掘り虫を食べるかということしか知らないもぐらのごとく、動物界を導く力となっています。もぐらは地下に住み、非常に小さい目をしていますが、彼らはもっと大きい目をもち、もっと大きな楽しみを得るために光の中に住もうなどとは考えもしません。しかしながら、人間は地上に生まれてきたにもかかわらず、水の中を泳いだり大空を飛ぶことを思いつき実行することができます。人間は、徒歩よりももっと速く動くために自動車や飛行機を発明してきました。


 人々は例外なく最良の経験をし、最良の人生を送りたいと願っています。最良とはどういう意味をもっているのでしょうか。肉体的な見地からすれば、最良とはただ正常で正しく機能するといった意味をもつにすぎません。したがって理想は、最良以上のものであります。事実、理想を達成するためには、人々は普通の能力以上のことをやらねばなりません。たとえば、背の低い人が何か遠くのものを見ようとすれば、背伸びをしなければなりません。


 現在は混迷の時代であります。人々は何が正義かということについてもさまざまな意見をもっています。ある人々は自己実現のためただ感覚的なもののみを追求し、ある人々はどの道を選ぶべきか迷っています。悲しいことにアメリカの若者たちの間に、年長者や伝統というものの価値を認めない一般的な風潮があります。学生は先生の地位を無視し、先生を尊敬するどころか、先生の言うことを聞く理由すら見出せないのです。このような基本的態度は他人を無視し、現在の自己満足のみを追求するのです。サタンはそのような態度を奨励します。そして自己中心的に生きている人々の人生はだんだん封鎖され敗北していくのです。神様はいつも、人々が宇宙で自由に行動することを可能にする行為に援助します。善意と正義に満ちた人々は、いつもその行為が目立つことを喜びますが、うしろめたいことをしている人々は文字通り陰に隠れようとします。


 サタンの唯一の善の基準は自己の利益ですが、神の基準は全体の利益です。この善と悪の間にある強烈な一線は、両者の間に大きな闘争があることを意味しています。もし人が一方の領域から他の領域に移ろうとすれば、それは容易なことではありません。その人は他の領域の基準に従うことを余儀なくされるでしょう。我々は共産主義と民主主義がどのような関係にあるかを見ることができますが、両方ともお互いを認めず、協力して友好的にやってゆくことができないのです。両者の間には絶えず敵意があります。


 人間は心と体をもった非常に複雑な存在です。誰も自分の心を見ることはできないし、それがどこにあるかも正確に言えません。しかし誰も心をもっていることを否定することはできません。心と体は異なった次元と実体をもっていますが、その両者があなたという要素を構成しているのです。個人は心と体の交差点上に存在しています。グラフにすれば、体を表すには一本の水平線と、心を表すにはそれに交差する一本の垂直線を引くことができます。心の線と体の線が交差する角度によって個人のかたちが決定されます。個人を表す理想的なかたちは、垂直に交差する二本の線に沿って描かれた完全な円形であります。しかしながら、あるものは四十五度で交差するよう表されています。そのようにして描かれた円形は完全なものからはほど遠いのです。心の正しい位置は、体と九十度の角度で交差する点にあります。それは円形同様、完全な均衡と調和をもたらします。共産主義者は、人間の心や霊は体の働きによる副産物にすぎないと主張します。それはあたかも心と体を表す二本の線が平行に走っているかのごとくです。もしそのような線を円形にするなら、その結果は細長く狭い形となり、完全な円形とはかけ離れたものとなります。そのようなゆがんだ形は、共産主義的な思考法の特徴を表しているものであって調和や均衡とはほど遠いものです。


 宇宙は、あらゆるものが円形運動をし、また形においても円形であることを求めています。人間の体の細胞は、基本的には円形です。太陽系の惑星運動も基本的には円形であり、宇宙それ自体も円形であると言われています。グラフで示すならば、円形は二本の対等な線がバランスよく交差することなくしてはあり得ません。このように円形は、中心点を基礎として存在しなければなりません。これらすべてのことは個人の生活とどのような関係にあるのでしょうか。赤ちゃんは生まれた時、自分が心と体をもっているということに気が付きません。心が成長するにつれて、それは理想的な垂直的な方向に行くか、それとも誤った方向に行くかどちらかです。もしその人のすべての様相がバランスのとれたものであれば、彼の心の成長の過程は完全に垂直的なものとなります。子供が完全に垂直的な道に沿って歩むためには、両親の指導と指示によらなければなりません。肉体は二十歳前後で自動的に成熟し完成しますが、心は本来の道から外れる可能性をもっています。


 子供が、完成し成熟した個人となるためには、お父さんとお母さんの両方の指導を必要とします。しかしながら、今日のアメリカ社会においては、結婚し子供が生まれて離婚し再婚するといったことが非常にありふれたこととなっています。なかにはそれを数回繰り返す人々もいます。子供たちが継{まま}親{おや}によって育てられている多くの家庭がありますが、子供が継親から受ける躾{しつけ}を受け入れることはたやすく自然なことではありません。多くの人々は彼らが継親から受けた待遇に一生恨みをいだいています。アメリカの家庭がこのような悲しむべき状態にあるということを誰も否定することはできません。今日、アメリカの社会を賞賛する人々はまた、多くの子供たちが体験している混合型の家庭生活をも賞賛しなければなりません。


 愛情のこもった父と母が子供を躾ることが正常であり、必要なことです。彼らは子供の垂直的な成長を指導する責任をもっています。もし子供が道からそれるならば彼らはそれを正さなければなりません。たいていの子供は親の躾に不平を言いますが、それなくして健全で垂直的な成長を遂げる道はありません。なぜ両親が子供を指導し、躾るかという問いに対しては多くの答えがあるでしょう。しかし一番簡単な答えは、両親は子供が心と体の正しい関係をつくりあげるための責任を負っているということです。最もひどい犯罪人ですらこれを悟り、自分の子供を善良で幸福な人間にしようと努力するでしょう。子供に理想を求めるのは人間の本性です。


 もし人間が堕落しなかったら、人類はメシヤも真の父母も必要としなかったでしょう。すべてのありのままの両親が完全な愛をもった完全な両親となっていたでありましょう。不幸にもありのままの両親は堕落したアダムとエバの罪の血統の中に生まれたので、人類は罪をもち、誰も真の愛を知りませんでした。我々は親が子供に完全な愛を与えることができなかったからといって、親を非難することはできません。誰もそれを与えられたことがなかったからです。真の父母はすべての地上の両親がなすことのできなかったことを完成しなければなりません。すなわち、子供を正しい垂直的な方向に指導することです。


 悪の根源と始まりは、自分のために何かを所有したいという方向を誤った欲望からでした。エバとエバの愛は神とアダムと全宇宙のものでしたが、天使はエバの愛を自分の満足と慰めを得るために求めました。堕落は自分のために所有しようとする欲望から起こったのです。これはまた、復帰が始まる基点ともなります。人々は自分勝手な所有欲を捨て、それを正しい方向に向けることを学ばなくてはなりません。したがってすべての欲望を自分中心におく“私”という観点は、自分の最大の敵であります。悪の根源は自分の中に存在しているのです。自分自身が直面する戦いはまずサタンにあやつられている“私”という観点から始まります。ではどうしたらわがままな“私”を取り去ることができるでしょうか。それは神と世界を何よりも愛することを学ぶことによってのみ可能です。自分が所有したいと思うものは神の愛のみ、また所有されたいと願うのも神の愛によってのみである、と言い得るに違いありません。あなたがたが万物復帰に行くとき、あなたがたは自分の所有感覚を改める最良の最も実際的な訓練を受けているのです。あなたがたはその日の実績のすべてを神と神の目的のために捧げています。迫害されながら万物復帰をすることは自分をより早く訓練することになります。この観点からすれば、あなたがたが耐えている苦労は良いことでしょうか。それとも悪いことでしょうか。


 真の父母は人間が堕落したから絶対必要だと言うことは本当なのでしょうか。人間は完全に再教育されなければならないので、その理想はもう一度お母さんの胎内から出発しなければなりません。キリスト教では伝統的に新しく生まれ変わることの重要性を教えてきました。しかしこれはどうしたら成し遂げられるでしょうか。人が生まれるためにも、新しく生まれ変わるためにもお父さんとお母さんが必要です。両親はお互いに支え合って完全に一つとなり、子供に完全な愛を与えなければなりません。この世の中に愛はずっと存在していたけれども、それは人間が堕落したために完全に神を中心としたものではありませんでした。それゆえに真の父母の愛、純粋で神のみから出発した愛が必要なのです。真の父母の目的は、すべての人々が神の前に恥ずかしがらずに立つにふさわしい神の息子、娘となるように再教育することであります。真の父母はアメリカや他の国に来ても、それを自分のために利用することは決してありません。ただその国の人々のために自分を犠牲にすることを願っておられるのです。神の息子、娘であるならば国籍や文化の違いにとらわれることなく、神が全世界を愛するがゆえに全世界を愛してゆかなければなりません。


 統一教会では、私たちは自分のことや自分の人種に違反したということのために、人を非難し告発することはできません。統一教会の白人が、これまでの白人の搾取的な行為を真に悔い改めるならば、彼はアフリカや南アメリカの人々のために自分を犠牲にすることを願うでしょう。そのような人々の両親は、なぜ彼がアフリカに行きたがっているかを理解せず、彼を止めようとするかもしれません。彼らは大声で「ノー」と叫びますが、彼はもっと大きな声で「イエス」と叫び自分の道を歩き続けるでしょう。彼が自分に反対する人々に「イエス」と叫べば叫ぶほど「ノー」という声はだんだん弱くなります。それは彼の確信が彼らに打ち勝つからです。ついにはそのような正しい人の両親は、彼がどんな偉大なことをしているかを悟り、彼自身の決定にゆだねるようになるでしょう。


 我々は原理の基本的な問題について話をしています。神の理想は四位基台を地上につくることでした。しかしその理想は過去に実現されたでしょうか。その理想が実現される可能性が現れたのは歴史上これが初めてです。我々は過去にも現在にも誰もやったことのないことを教えているのです。あなたがたは自分が学んでいることの価値を真に感じていますか。夜が過ぎると昼が来ると同じように、統一教会に対する迫害が終わると同時に、地上天国の時代が始まります。全世界の人々は、もしあなたがたが今聞いているメッセージを聞く機会さえあれば、必ずそれに感謝するでしょう。


 多くのアメリカ人は、現代は昔のアメリカよりもずっと良いと信じています。しかし真実は昔のアメリカの方がずっと純粋で良かったのです。もし過去の価値がアメリカの文化の中に取りもどされないとすれば、現在は破滅の方向に行かざるを得ないでしょう。しかしながら、私たちはアメリカ人にそのような声明を出すことも、彼らがそれを受け入れるよう期待することもできません。私たちは私たちが言っていることがなぜ正しいかをはっきりと説明できなければなりません。私たちはまたそれを急いでやらなければなりません。時があまりないからです。もし私たちがこのことをやらなければ、アメリカは救われないでしょう。最近『仁川』の映画が初めて上映され、多くの著名な人々が出席しました。映画が始まる前に私たちの弁護士が立ち上がり、「この映画のスポンサーはレバレンド・ムーンであり、彼の思想がその根底をなしております。もしここにいる誰かがその事実に反対するならば、その人はただちに退場してください」と放送しました。だが誰一人立ち去らずその映画を観ました。あなたがたの知らない間に世論にはさまざまな変化が起きています。正義感のあるアメリカ人は給料をカットされてまでもワシントンタイムズの社員となりました。その理由は、彼らが新しい保守主義の運動に参加するように導かれたからです。


 あなたがたは私の教えに従うことに対してどのくらい責任を感じていますか。私は数年間ホーム・チャーチのことについてあらゆるたとえや説明をしながら語ってきました。しかしあなたがたは過去何日間ぐらい自分の区域を訪ねましたか。ホーム・チャーチはあなたの人生にとって何よりも意義と価値のあるものです。もしあなたがたが今この責任に従って行動しなければ、それは後世になって厳しく裁きを受けるでしょう。歴史を通じて宗教的な人々は多くの犠牲を払ってきました。数百万人が殉教の道を行きました。そのような犠牲が積み重ねられて、今日ホーム・チャーチが可能になったのです。


 私たちの運動において、私たちはまだ家庭的四位基台の段階にしか来ていません。祝福家庭というものはあっても、究極の目的からすればそれはほんのわずか成し遂げられたにすぎません。もし私たちが氏族、社会、国家、世界というもっと大きな範囲の四位基台を完成しなければ、霊界における私たちの自由の度合いは完全なものとはなりません。せいぜいそれは地域社会の範囲に留まるでしょう。私たちが地上で達成した分に応じて、それに相応する区域が霊界で拡大されるのです。現在霊界には地上と同じくさまざまな境界線が敷かれています。人々は今まで一対一の関係で統一教会に入教してきました。しかしこの調子でいくならば、どうして世界的基準まで拡大できるでしょうか。あなたがたの責任は家庭的四位基台を造ることであり、そしてそれを最も高い基準まで拡大してゆくことであることを理解せねばなりません。ホーム・チャーチをする一つの実際的な理由は、あなたの氏族のためであります。もしあなたのホーム・チャーチの人々が神と神のみ意を理解すれば、彼らはあなたがたの氏族を歓迎し教育するでしょう。彼らはあなたよりも上手に教育することができます。これがあなたの氏族の中のカインとアベルの分裂をなくすることでしょう。


 私たちが世界中にホーム・チャーチを拡大するや否や、霊界でも自動的に同様のことが起こります。あなたのアベルとしての責任は、中心に立って他人を指導し、あなた自身が天的な縦的な基準に立って生活することです。それをすることができた時、あなたは真の父母の位置を受け継ぐのです。その位置に立ってあなたは神の愛、父の愛、母の愛、兄弟姉妹の愛を受けることに安心できるのです。もし誰かがあなたの細胞を霊的に分析するならば、あなたの細胞の一つ一つがこれらの愛のどれかを反映しているでしょう。彼らはあなたの細胞の中にあなた一人を見出すことはできません。もしあなたがそのような一致と無私の状態に至れば、あなたは確信をもって“私”を主張することができます。しかしその“私”は前の“私”ではありません。なぜならそれは神の愛、親の愛、兄弟姉妹の愛を反映したものであるからです。


 あなたは自分の細胞の中に、これらすべての異なった愛の要素をもった人となることを考えたことがありますか。人々は自動的にそのような人を好みます。しかしながら、人が自分を中心とする時には誰もその人を好みません。特に、神は彼と一緒にいることを喜ばないでしょう。もしあなたが他人を愛するならば、神はあなたの目も、耳も、鼻も、あなたのすべてを愛するでしょう。あなたの両親はあなたが自分を愛するより以上にあなたを愛し、自分のもっているものすべてをあなたと共有したいと願うでしょう。これは何と素晴らしいことでしょう。誰かが私を訪れる時はいつも、私はその人に愛を示し、彼が誰からもそのようにされたことがないほど彼を親切にもてなしました。これが私があなたがたに教えようとしている態度です。あなたが何かの地位につくときは、最も大きな愛の心をもってそうすべきです。もしあなたがある組織の長になるならば、そのグループにはかつていなかったほど、最も愛のあるリーダーとなりなさい。


 統一教会のあるメンバーは、一生懸命に働き最初の三年間くらいで大きな模範を示しますが、後になって彼の熱意は薄らぎ、ついには全く力を失ってしまいます。一方最初はあまり目立たなくとも、徐々に成果をあげる人もいます。あなたはどちらのメンバーになりたいですか。もちろんあなたがたは下がるよりも上がることを願うでしょう。しかし、もしあなたがたが、たとえばホーム・チャーチの件で私の指示に従わないならば、あなたがたは上がりますか、それとも下がりますか。あなたがたは「はい」と返事をし、誓うことができるかもしれません。しかしどれぐらい実際に実行してきましたか。多分アメリカの青年が約束通りやってこなかったとしても、アフリカの青年はそういうことはないでしょう。私はいつまでもアメリカにいないということを知らなければなりません。神が私に他の国に行くよう命じた時には、私はためらわずに行きます。


 もし白人が神の摂理の時を失うならば黒人が立ち上がり、世界のリーダーとなるでしょう。アメリカのメンバーはあなたがたが摂理の中心にいるがゆえに、私が今あなたがたを応援していることを知らねばなりません。理由はそれだけです。あなたがたはできることすべてをしなければなりません。そうすれば機会を逃すことはありません。もしそうでなければあなたが霊界に行った時、あなたは祖先からも白人からも訴えられるでしょう。その時に誰もあなたがたが真理を教えなかったという理由でレバレント・ムーンを批判することはできません。アメリカの人々は私の講演を通じて、他の国における他の時代の人々よりも多くのことを理解してきました。もしこの機会を失ったら、結果はあなたがたの想像以上に重大なものとなるでしょう。


 今朝、私は日曜礼拝のためスーツとネクタイを着ていますが、ふだんはもっと安いものを身に着けることを好んでいます。私は水を保存するために自分を訓練しました。アメリカでは水は非常に豊富ですが、世界の他の地域、特にアフリカではわずかばかりのきれいな水がいかに役に立つかを知っているからです。もしあなたがたが首尾一貫して神の見地から物を見るならば、これらは生きるための非常に基本的な方法です。アフリカのメンバーは今まで多くのものをはく奪されてきたにもかかわらず、私を非難したり私についての否定的なうわさを信じないのはこのような理由からです。今私は快適な環境の中で生活していますが、これらを誇りに思ったことはありません。私はいつも「世界中のすべての人がこのような環境に住めるように配慮してあげたい」と考えています。もし私がこのような態度でなければ、アフリカの人たちは最初にそれに気付き私を非難するでしょう。あなたがたは真に垂直的な基準に従って生活し、絶えずあなたの影響圏を広げなければなりません。「世界はどうなってもいい。私は自分の家族が復帰されればそれで満足です」と言うことはできません。あなたがたは東洋と西洋を行き来し、理想のために地球の両端を固めなければなりません。もし理想が四方向に広がらなければ、調和のとれた中心点が定まりません。


 将来西洋の大学生は、東洋を旅行して学ぶことを願い、逆に東洋の大学生は西洋から学びたいと願うでしょう。もし彼らが本当に異なった文化を学びたいと願うならば、彼らが故郷に帰った時にみやげ話をするという目的のために少しだけの体験を積むというわけにはいきません。新しい文化に真面目に取り組み、それから学ぼうとすることによってのみ、真に自分を大きくすることができます。異なった文化をもった人々同士の結婚がたくさん起こってくるのも当然です。これから祝福家庭は、世界の最も遠い所からお婿さんやお嫁さんを迎えるということを誇りにするでしょう。なぜなら、このようにして世界の文化が連結されるからです。そのような家庭の中に神の最も高い縦的な愛と、人間の最も深い横的な愛が存在するのです。思慮深い良心的な人々は、統一教会のメンバーでなくともこれに同意することができます。


 多くのアメリカのメンバーは、東洋のリーダーに不平を言い、西欧のリーダーだけが良いと考えています。しかしアメリカ人は最初に手を差し延べ、違った文化圏の人々から最初に学ぶべきです。もしアメリカがそうすれば他の国もそれに従うでしょう。私たちはただ自分の家庭をつくり気楽な生活を送ることはできません。地上におけるあなたの影響圏が小さければ、霊界における自由もまた小さいものとなるでしょう。あなたがたアメリカ人は強要されるのはいやだと感じますか。あなたがたの責任をアフリカや南アメリカの人々に譲りたいとお考えですか。


 韓国では今日どのような職業の人も私を尊敬するようになりました。しかしアメリカではまだ私はそのようには見られていません。私は決して疲れません。たとえあらゆる人々が反対しても私は必要なことを実行せねばなりません。この部屋にはたくさんの金髪の人や奇麗な皮膚の人がいますが、それが人類にとって価値のある唯一の色でしょうか。決してそうではありません。一個人の体内にもすべての異なった色と物質があります。種類の違うガチョウはお互いに色や国籍が違っても争いません。もしガチョウがたまたま色のついた卵を産んだら、その卵をかえすことを拒絶しますか。ガチョウは色のことに気付いていません。しかし自分の色や他人の色に気付いている人間はいつも障害物に出合います。世界の多くの国々でアメリカ人に対する敵意が大きくなってきています。“ヤンキー・ゴー・ホーム”のスローガンは南アメリカのある場所では非常にありふれたものとなっています。しかしながら、もうすぐアフリカや南アメリカの人々は“ムーニー・カム・ヒア”と叫び始めるでしょう。あなたがたは今、ムーニーであるために受けている迫害を受けなくなるでしょう。あなたがたは自分の真の価値を知らなければなりません。将来あなたがたは重んじられ全世界の人々から世話されるときがくるでしょう。


 私は東洋から西洋へやって来ました。私はここから再び、全世界に向かって行くでしょう。地球は南極北極に分かれていますが、人間の文明は東洋と西洋によって分けられています。南極、北極は水平的な境界線であるのに対し、東洋と西洋は垂直的な境界線であります。人間の文明が東洋と西洋の間の垂直的な統一と調和に達する時、地上天国は建設されるでしょう。この垂直的な統一を妨げようとする最も大きな試練の中に私たちは今在るのです。それゆえ、いったん我々がこの状況を突破すれば、天の摂理の発展を妨げるものは何もないでしょう。アメリカ人は実際にレバレンド・ムーンのことを何も知らずにレバレンド・ムーンに反対してきました。しかしながら、アメリカ人が急いで考えを改める時がすぐにくるでしょう。


 あなたがたは西洋から東洋へ行きたいと思いますか。自分の位置から少しでも動くことを拒む人々は活気がなくなりついには衰退してゆくでしょう。メシヤとしての個人的な範囲の影響圏は、氏族、国家、世界とより高い範囲に拡大してゆかなければなりません。もしあなたが最高のレベルで実際にメシヤとなることができなければ、少なくとも真のメシヤにつながり、彼に従うことができます。もし、レバレンド・ムーンが世界的なメシヤの使命を果たせば、サタンはそれを受け入れるという約束が神とサタンの間にできています。そうでなければサタンはそれを認めないでしょう。


 私たちの運動に対する世界的な反対は一九七六年にやってきました。当時は誰もが積極的にレバレンド・ムーンに反対しました。それは私たちが世界的なレベルに移行したからです。今後そのような世界的な反対を乗り越えれば、全世界は我々の真理を受け入れることができるでしょう。


 統一教会の教えを聞いた良心的で真理を求める人々は、その思想の偉大さを認めるに違いありません。あなたがた一人一人はこれを認めますが、時々あなたがたは「これがそんなに難しくなければいいのになあ。もしもっと容{た\C57F}易{やす}ければもっとやる気が起こるのに」と言います。しかしながら、もし真に困難な要素がなくなれば、本当の復帰は成されません。チャンピオンになる正常なコースは、多くの苦難を通過することです。もしあなたが世界のチャンピオンのボクサーになろうとすれば、戦わずになれると思いますか。もしあなたがリングの中に入っても、あなたは勝つどころか敵の最初の一撃で力が尽きてしまうでしょう。チャンピオンになるための正常コースは打たれ、血を流し、多くの傷をつくることです。事態が彼にとって最悪に思えるちょうどその時に、彼は立ち上がり敵をやっつけることができます。これがチャンピオンの通る道です。統一教会には非常な困難がありますが、そこに真の目標があることがわかります。困難な時に真剣な人は残り、弱く実行力のない人は去って行きます。どんなことが起ころうと、いったんあなたがこのような努力をし始め目標に向かって走り続けるなら、あなたは真の勝利者となり、チャンピオンになることを約束されています。


 あなたがたのうちで中心的な位置を熱望し、私の仕事を引き継ぎたいという人はいませんか。私が喜んでそれを譲ったとしても、誰も私の位置を喜んで引き受ける人はなく、また引き受けることはできません。事実、愛の世界においては、交替は不可能です。神様は人気投票によって選ばれたと思いますか。メシヤや真の父母はどうでしょうか。ある位置というのは、政治的な方法が見出されるそのずっと以前に生じたものです。同様にあなたは自分の親や兄弟姉妹を選ぶことはできません。人間社会においては変えることのできないものがあります。


 選挙を通じて、共産主義者がこの国の大統領に選ばれることは可能です。もしそのようなことが起これば、サタンはすさまじい勢力をもつでしょう。神様は歴史を通じてサタンの勢力と戦ってきました。そして今、人類歴史は頂点にきています。メシヤの仕事は神を中心とする垂直的な愛の位置を完成させ、それを守ることです。軍事的な力によっては共産主義を防ぐことはできません。その戦いは地域社会や家庭の中から勝ち取らなければなりません。ホーム・チャーチによってのみ共産主義の勢力を滅ぼすことができます。もしあなたの区域にあなたがよい基盤をもっていたら、誰かが共産主義を広めようとしてあなたの区域にやってきたかどうかすぐにわかります。あなたはそのような不健全な勢力があなたの区域に広がるのをくい止めることができます。


 ニューヨークは、世界に対して重要な位置にあります。もしそれが善の方向にゆけば、世界が従うでしょう。もしそれが悪の方向にゆけば世界もそうなるでしょう。私たちは十年前に我々の運動のエネルギーの多くをニューヨークに注ぎ始めました。当時、多くの人々はニューヨークを見捨てあきらめていました。私たちはそれと逆の道をゆきました。また私たちは、髪を短く刈ることにより、若者のファッションとは反対の格好をしました。多くの若者が自由にキスをしたり、公衆の面前で愛を表現している一方、統一教会の婚約者同士はお互いに手を握ることさえしません。私は俗世間のやり方をくつがえすために、絶えずあなたがたに謙遜になって自分を否定することを強いてきました。俗社会では、人々はしばしば結婚する前にしばらく一緒に暮らします。しかしながら、統一教会では結婚しても一緒に暮らす前にしばらく待ちます。このような道を行くことにより、あなたがたはより大きな目標を達成するため、肉体的な欲望を乗り越えることを学んでいるのです。私たちは自分を否定し続け、世界で最も身分の低い人のように思われるけれども、実際はだんだん立派な人になっているのです。絶えず自分の欲望にふけっている人々は、自分の価値が下がっていくことを発見するでしょう。同様に強さをもたない人や、献身的でない人々は、私たちの運動についてくることができません。


 私が皆さんに話す時は、皆さんがその中から最も多くのものを学べる言葉を話したいと願っています。統一教会の人はスピーチが上手だと言われています。多分それは皆さんが多くの説教を聞いてきたからでしょう。皆さんは著名な学者や州知事と並んでも、確信をもってしゃべることができます。なぜなら、原理の理解から得た知識の方が優れていることを知っているからです。ある人はこの説教を聞きながら居眠りをしています。また他のことを考えている人もいます。しかしあなたがたは、自分の信念を弁護しなければならない時は活発で雄弁になります。


 完成したアダムは、神の住む宮殿に約束なく自由に入ることができたであろうことは確かです。皆さんもそうしたいとは思いませんか。もし皆さんが誰かと親しい関係にあれば、会うために約束する必要はありません。召使いは主人とそのような親しい関係にありません。しかしその主人の子供たちは自由に家の中に入り、好きな時に会うことができます。あなたがたが神の子供であるとすれば、神が創った世界の中の場所を訪れるのに許可を必要とすべきでしょうか。私たちがこの世で経験している境界線や関門というものは、堕落の結果生じたものです。


 誰もが境界線のない自由な世界を願っています。地上界と霊界のどこにでも自由に行ける許可証を買うことができるなら、あなたはそのような自由を得るために、今持っているものすべてを与えないでしょうか。神様は地上のあらゆる場所で尊ばれる許可証をあなたに発行する権限をもっていると思いますか。サタンはある資格をもって神様に要求します。「神様、あなたは堕落した人間にそのような許可証を与えることはできません。彼らはそれに値しなければなりません。もし誰かが彼らにそれにふさわしい条件を立てさせるならば、私はそれを受け入れましょう。しかし神様、あなたがそれを与えることはできません」と。


 人類が神様の創造された世界を自由に通行するための蕩減条件は、ホーム・チャーチです。したがって、完成されたアダムの家庭である真の父母の家庭が復帰の基盤として必要であります。真の父母を通して、人類は自由に通行する権利を受け継ぐことができます。親がもっているものすべてを子供は受け継ぐからです。サタンは誰よりもこのことをよく知っています。したがってあなたがたがホーム・チャーチをしているのは、あなたがた一人一人に能力があるからではなくて、あなたがたが真の父母の子だからです。あなたがたがホーム・チャーチに行く時、あなたがたは良い知らせ||自分たちは真の父母と天の家族を誇りとしていること、神と関係をもつことを誇りとすること||を人々に伝えています。このようにしてあなたは真の父母の位置と心情を受け継ぎ、サタンの訴えから自分を解放します。それはあなたがするのであって、神様があなたに代わってそうすることはできません。これが、私があなたがたにホーム・チャーチを奨励する理由です。私はあなたがたが完全な自由を約束する許可証、すなわち天のIDカードを手に入れることを願います。私はこの相続権をあなたがたに譲ったので、あなたがたはそれをホーム・チャーチの人々と共に相続せねばなりません。さもなければ、それは誰にも相続されないでしょう。あなたがたがそれに注目する場合は、いつもホーム・チャーチが必要です。


 私の人生において、サタンのすべての権力とその軍勢が私に反対しました。ちょうど聖書のヨブ記のように、サタンは神様に言いました。「彼が何でもできるのは神様あなたが彼を祝福したからです。私は彼からすべてを奪い取って彼を試すことを要求します。その上で彼がそんなに強いかどうかを見ましょう」。サタンはそのような要求を数回しました。そして神様は私を困難な状況に行かせなければなりませんでした。あなたがたもまた同じような試練を通過せねばなりません。しかしあなたがたの受ける反対は、私の経験したほんの一部分でしかありません。あなたは神様が自分のそばにいないと思い、神様はちっとも自分を助けてくれないと感じるでしょう。しかしあなたが耐え忍んでその状況を乗り越えた瞬間に、神様は豊かにあなたを祝福するでしょう。


 あなたがある状況におかれた時は、いつも神様があなたのためにそれを準備したことを忘れてはなりません。偶然にそうなるのではありません。様神はすべての準備ができたので、それをあなたに引き継がせるのです。そしてその状況に取り組み、それを成功させるのはあなた次第です。私は六十年間の自分の人生と、聖書の人類歴史六千年に相当する蕩減の六段階を通じて、まさにこの道を歩んできました。真の父母はすべてのサタン的な非難を乗り越え、完全な自由を得るためのIDカードを受け取りました。この相続権なくして、どうしてあなたがたはメシヤとなる資格がありますか。あなたのIDカードを受け取るためには、天使長が完成したアダム同様に、それにサインをしなければなりません。あなたが一度このサインを受け取るならば、あなたはアダムの世界であろうと、サタンの領域を含む天使界であろうと、自由に行き来することができ、何の非難も受けません。


 天の位階制度は、初めに神、次にアダムとエバ、天使、万物でありました。堕落の結果この天の秩序は崩壊しました。サタンが存在するようになり、人間は霊界の存在さえわからぬほど堕落してしまいました。人間は神の存在も、神と人間の関係もわかりません。また本来のアダムの心情である真の父母の心情もわかりません。人間が今知っているただ一つのことは“私”という観点であり、この被造世界の目に見える物だけであります。人間は万物より低く劣っています。そのために誰も人間の真の価値と尊厳さがわかりません。原理を学ぶ前のあなたがたは、自分が失ったものも、またどのような理想を求めるべきかもわかりませんでした。人類はついに真の理想が何であるかを知ることができました。我々の財産も、国籍も、職業も、すべてが人生の基本的な問題が解決されるまでは意味のないものであります。真の価値を追求する唯一の道はどのようにして人間の尊厳さを取りもどし、失った理想を回復するかを見出すことであります。個人、家庭、国家、世界というすべてのレベルの理想が実現されたらどんなに素晴らしいことでしょう。あなたがたはこれらすべての理想を一つの“学校”から実現する能力をもっています。そしてそれを実現するのに何百年も要する必要はありません。


 あなたがたは人間の理想の七段階をすべて完成したことを示す、証明書を得なければなりません。それとも一つの場所にしか通じない、一つの証明書だけを受け取りたいですか。もしサタンが憎み恐れるものがあるとすれば、それは、神様が全人類にその証明書を発行することができることです。しかしながら、サタンも原理には服従せねばなりません。真の父母が、人々がどうすればサタンの支配から自分を解放できるかを発見した時、それはあたかもサタンの最も深い秘密が世界の新聞に公表されたかのごとくでありました。これが現在のサタンの状況であり、サタンは絶望的だと感じています。


 一人一人を伝道してゆけば、世界全体を解放するのに数百年かかるでありましょう。もしあなたが真の父母の立場にあるならば、全人類を神に帰すためにもっと効果的な方法を見出すことを願わないでしょうか。神様も真の父母の考えも必然的に同じであるに違いありません。もしあなたが神に、どこに一番住みたいかと尋ねるならば、神様は即“ホーム・チャーチ”と答えるでしょう。あなたの区域に天の位階制度が復帰されねばなりません。家は万物を代表し、すでに霊界に行っているその土地の祖先は天使長の位置を代表し、その土地の人々はアダムの位置を代表します。もし神様がすべてこれらの要素との関係におかれるならば、創造理想は実現されるでしょう。この結果、サタンはあなたの区域から去らねばなりません。なぜなら、サタンは自分の場所と呼べるものがなくなるからです。三六〇軒には三六〇日、三六〇度などすべてのものが代表されています。あなたがたはアメリカにいるのですべての人種があなたの区域に含まれています。


 すべての人種は、アメリカにおいて法律により自由であります。これはこの国の基礎が自由、特に信仰の自由を求める人々によって敷かれたので、偶然の出来事ではありません。一九七六年はアメリカの二百年祭でありました。この二百年の間、イエス以来二千年間の蕩減が支払われてきました。一九七六年から始まって二十年間は、アメリカの二百年間の歴史が再蕩減される期間です。レーガン大統領は、(ちょうど)アメリカの四十代目の大統領です。二十、二百、二千、四十、といった摂理的な数字がこの時期に一緒に来ることは、偶然の出来事ではありません。今は我々が成功しなければならない時です。


 韓国の独立政府は一九四八年に始まりました。それはキリスト教を蕩減するための先生の運命が始まった年でした。この荒野時代の四十年期間に我々は神のみ旨を達成するために、百パーセントの力を集中しなければなりません。我々は“テント”で生活してきました。我々は俗世間の“エリコ城”と戦わねばなりません。それは数千年間の歴史と権力を土台とした途方もなく大きなお城であります。しかし我々は確信をもって前進します。我々は神が味方であることを知っています。


 一九八八年まではあと六年です。一九八二年二月二十二日(先週の日曜日)は、一九四八年に私が興{フン}南{ナム}の収容所に入った記念日でした。これは私が今、イエス様の生涯と使命を蕩減するための三十四年目が始まったことを意味します。もし、イエス様がもう七年間生きておられたら、四十年の期間を全うしていたでしょう。次の七年間は、世界の救いのための完全な摂理の勝利を達成するため、その責任は真の父母と、子女と、統一教会の食口が背負わなければなりません。


 統一教会では、イエス様の時代のすべての失敗を再蕩減するための出来事が起こります。我々は次の七年間に、イエス様の使命の完成されなかった部分を完成させるでしょう。この期間は、イエス様ご自身が多くの最も敬{けい}虔{けん}な信徒たちに現れ、彼らに原理を証されるでしょう。もし摂理のこの部分が完成されたならば、『自分が行くところすべてが神の領土の一部である』と、自由に主張することができます。皆さんもご承知の通り、私はこの前の科学者会議で韓国、中国、日本を結ぶインターナショナル・ハイウェイの始まりを告げました。後にそれは世界中に広がるでしょう。これは地上天国のために世界中に敷かれるハイウェイのシンボルであります。


 あなたがたがきょうの説教から感じる一つのことは、神の摂理の完成の時が非常に近づいているということであります。今は世界の主な宗教の教祖たち、すなわち、イエス、マホメット、釈迦、孔子などが直接この地上に働きかける時であります。このようなことが起きるための土台はもうできています。彼らはそのようなことに協助すると思いますか。それはまさしく地上界と霊界のその他の人々と同様、ホーム・チャーチ活動をし、天の証明書を受け取ることに協助します。


 あなたがたの祖先は、あなたとあなたの遺産に対して直接の接近手段をもっています。したがって彼らがあなたに協助すれば、彼らもあなたによって天の証明書を受け取ることができます。先週の日曜日、私は聖地に行ってこれらのことを祈りました。今はイエス様の時代の失敗に対するすべての蕩減が支払われなければならない時であります。また共産主義も民主主義も含めた、世界からの我々の運動に対する迫害も蕩減されなければなりません。物質的な蕩減と霊的な蕩減があります。ゆえに地上も霊界も動員されなければなりません。これは簡単な論理でありますが、他に方法はありません。


 今日まであなたの三六〇軒の区域は、天使界の主犯であるサタンの支配下におかれてきました。彼はその土地のカイン的な人々の助けにより、それを自分の望み通りに分断することができました。しかしあなたは、完成したアダムと共に働き、神と善の天使の協助を受けることができます。あなたが自分の区域に行く時、善の天使があなたと共に働き、悪の天使を追い出すでしょう。そのような対決が文字通り行われるでしょう。今日までサタンは、地上の善なる人々に対して大きな力と強みをもっていました。多くの祈りと涙と蕩減の後に善なる人々は、ほんの少しの時間とちょっとした方法でサタンを退けることができるようになりました。しかしながら我々は、今やサタンと同等の勢力に達したばかりでなく、彼を支配できるようになったのです。あなたがたはこの真実がわかるでしょう。


 今は本当に驚くべき時代です。あなたがたは真の父母とつながり、知識を身につけているがゆえに、悪の力と真正面から対決することができます。そしてその勝利はすでに約束されています。すべての善の天使があなたと一緒に働きあなたを助けます。これは今までになかったことです。今はまた、統一教会に対する世間一般のイメージと評判が変わる時でもあります。


 アメリカは多くの強力な防衛戦術をもっていますが、また多くのコントロールできない問題をかかえています。この国には青年の疎外、麻薬の乱用、家族の崩壊など多くの問題があります。この国は統一教会の助けと指導なくして、どうしてこれらの根本問題を解決できるでしょうか。あなたがたは本当にこの現実を知っていますか。あなたがたはただ心で理解するといった段階を超えなければなりません。あなたがたは知って実行しなければなりません。あなたがたはホーム・チャーチの重要性を深く悟らなければなりません。あなたが自分の区域に出かけて行く時に、あなたは神と真の父母の名によって、あなたを助けるように霊界に命令することができます。あなたの命令は効果があります。我々に味方する多くの霊的現象が起こるようになります。もうすぐあなたがたはあのエリコ城の壁が崩れるのを聞く時がくるでしょう。


 あなたの祖先も含めて霊界に命令することができる最も良い土台は、真の父母の指示とその模範に従うことであります。親がすることをすることにより、子供は名前だけでなく、実際に真の子供となります。子供は親の伝統を具体化し、それをまた自分の子供に受け継がせます。「私はムーニーであることを誇りに思います」と、誰にでも宣言できる絶対的な確信をもたなければなりません。誰かがあなたを迫害し、あなたにある理由を問いただした時、決して問題をはぐらかすべきではありません。


 西暦二〇〇〇年までに、全世界が統一教会について知るようになるでしょう。もうすぐホーム・チャーチをする機会もなくなることでしょう。もしイエス様が三十三歳過ぎまで生きていたら、次の主な努力はローマに向けられていたでしょう。アメリカでの私の立場は、近代のローマに直面しているようなものです。少なくとも次の七年間に、イエス様が四十歳の時までに成されるべきであったことが成就されるでありましょう。私はこの地で、非常に大胆に力強く語ってきました。そしてそうすることによって私自身に対しても、運動の発展に対しても、多くの危険を犯してきました。なぜこのようにしてきたのでしょうか。こうすることにより、イエス様がローマに行って神の目的のために闘えなかったことが蕩減されるのです。次の七年間は成功させなければなりません。さもないと共産主義が世界を完全に占領し、宗教は世界中で一掃されるでしょう。


 現在私たちは、最も高い霊界と直接通じることができます。世界の主な宗教の教祖を初め、すべての偉大な人々が神の仕事を手伝うために準備し、それを熱望しています。私の祈りの方向は先週から大きく変わりました。これからは、私はこれらの最も高い霊界に直接訴えていきます。彼らは我々の仕事に直接参加するためにやってきます。したがってあなたがたの祈りも変わらなければなりません。あなたの祈りは力強く短く祈るべきです。「天のお父様、真の父母様が計画しているものはすべてそれを成させてください」と。そしてあなたがたもまた、あなたがたの使命を助けるよう直接霊界に頼むことができます。


 あなたがたは自分のホーム・チャーチの区域で完全な勝利をなし、他の人があとでやらなければならないことを残さないという心構えをもたなければなりません。真の父母様があなたを助けることを期待してはなりません。その代わりにあなたが真の父母様を招待し、あなたのホーム・チャーチの仕事がうまくいったその喜びと栄光を受けていただく、という心構えをもちなさい。そのような確信をもてば、あなたは霊界の援助を求めることができ、直接の助けを受けることができます,あなたがたが主体の立場であるから一生懸命に働き、自分の区域に責任をもたねばなりません。そうすることによってのみ霊界はあなたを助けることができるでしょう。あざけって、「ホーム・チャーチは必要でない」と言う人は、非常に間違っています。もしアメリカ人がこの仕事を完成しないならば、私はそれをアフリカに与えます。もしあなたが、ホーム・チャーチの証明書とIDカードを受け取るならば、あなたは世界中自由に旅行することができるでしょう。


 きょうは理想の完成について話しています。理想とは何でしょうか。それはどんな障害もなく自由に宇宙のどこにでも行けることであります。私は自分の全生涯を通じて、この理想を完成する最良の方法を研究してきました。それは犠牲と、苦しみと、善のための迫害を受けること、他人に真の愛をもって尽くすことであります。誰も自分に本当の愛をもってきてくれる人に、抵抗できるほど自分に満足している人はいません。彼らが白人であろうと、黒人であろうと、黄色人種であろうと、また彼らが無神論者であろうと、共産主義者であろうと、すべての人々は彼らのために真に自分自身を犠牲にしようとする人に必然的に引き付けられます。完全な自由はそのような人のものとなります。


 サタンの属性は嫉妬、傲慢、自己の促進、全体の目的を自分のために犠牲にすることであります。“私”という見解は、サタン的な考え方の中心をなしております。しかしながら、そのような見解は決して幸福をもたらしません。彼は自分が独りぼっちで自分の配偶者からも、家族からも、すべての人から拒絶されているのを知るでしょう。神のやり方は、サタンのやり方にずっと勝っていることをあなたははっきりと知ることができます。また、すべての人々は、最もわがままな人でも、ユートピアを見たいと思うでしょう。しかしその理想への道は、他の人への奉仕と犠牲の生涯によってのみ歩むことが可能です。真の理想は夢のような非現実的な方法では決してかなえられません。奉仕と犠牲のこの単純な原理は決して変わりません。過去、現在、未来はすべてそれに当てはまります。地上だけでなく、霊界もこの原理によって導かれています。したがって、あなたはただ天国に行くための自分の通行許可が欲しいといった態度では、自分のホーム・チャーチで勤勉に働くことはできません。ホーム・チャーチの目的はまず人々を天国に行かせることであり、そのようにしてあなた自身が天国に行くことであります。真の愛をもった態度だけが、あなたがこれをすることを可能にします。あなたは自分が受けた祝福をすべてあげたいという願いを感じなければなりません。犠牲と奉仕と真の愛の心情をもって、あなたはホーム・チャーチの勝利をなすことができるでしょう。これが原理であります。我々は霊界で歓迎されることを期待する前に、地上で歓迎されなければなりません。今まで、統一教会とレバレンド・ムーンは、この国で歓迎されてきませんでした。我々はその潮流を変えなければなりません。


 もしあなたが今すぐ霊界に行けば、私が言っていることが全く正しいことがわかるでしょう。人々は多くの方法で神に仕えます。偉大な建築家は美しいビルディングを神に献上するでしょう。しかしあなたがホーム・チャーチで働くことに献身するとき、それは神が今最も願っている捧げ物となります。神の最も大きな苦しみは、堕落によりアダムとエバを失った瞬間でありました。ゆえに神の最も大きな喜びは、あなたが神にホーム・チャーチを返す時です。ホーム・チャーチをすることにより、あなたは自分を復帰しているのです。すなわちアダムとエバの位置、天使界、万物を復帰しているのです。あなたはそれらを神に返しているのです。あなたがホーム・チャーチをしているとき、それは小さいことのように思えるかもしれません。しかし、それは、神にとって大きな意味をもっているのです。


 これからは、善の真の家族の木が出発するでしょう。あなたの名前はあなたの家族の木の一番最初に書かれるでしょう。そしてそこからあなたの新しい家族の歴史が始まるでしょう。理想と現実を目に見える方法で実行し、一つにすることのできるそのような大きな計画は今までに提示されたことがありませんでした。あなたは目標を定める前に、しっかりした理由に基づいたはっきりした計画と、それを実行する確信をもたなければなりません。あなたが固い信念とはっきりした行動計画をもつならば、あなたは多分、あなたが行った地域の人々から、強い反対を受けるかもしれません。しかしながら、彼らの反対は長くは続きません。そしてあなたはずっと短い時間で、私と同じ水準の復帰を完成できることがわかるでしょう。


 我々は復帰のその目標に向かって、真っ直ぐ前進しなければなりません。問題はそれだけです。もちろん祝福のこと、家族のことを考えなければなりません。しかしホーム・チャーチと個人の生活とではどちらが本当に重大でしょうか。ホーム・チャーチは、神の摂理において他の何よりも重大です。もしあなたが一生ホーム・チャーチのためにまじめに働き、祝福を受けられなかったとするならば、あなたは霊界に行って素晴らしい人生を送れるでしょう。あなたは私を呼び出すことができ、私はあなたを直接真の父母の家に迎え、あなたに天国へのフリーパスを与えるでしょう。しかしもし、あなたがホーム・チャーチをしないで霊界に来たならば、あなたはどのような通行許可も証明書も受け取ることはできません。


 私は、あなたがたが天国に行くために知らなければならないことすべてを教えたいと思います。あとであなたがたが私を非難することを私は願いません。誰もあなたにホーム・チャーチをすることを強いることはできません。神様はあなたが何をしようとあなたを天国に連れて行きたいのです。しかしサタンはある条件がなければ行かせないでしょう。ゆえに私たちは、理想の完全な実現に向かって一緒に前進しましょう。あたがた一人一人は、真の父母の子供であるという特権を与えられて祝福されたので、あなたがたは真の父母の血族であります。みんなは異なるように見えても||ある人は色白で金髪であり、ある人は色黒で黒い髪をもっていたとしても||あなたがたのすべての部分は真の父母につながっているのです。これが実情であるがゆえに、神を悲しませるものすべてがあなたを悲しませ、神を喜ばせるものすべてがあなたを喜ばせなければなりません。これが思想においても、行動においても、あなたの人生とならねばなりません。


 ホーム・チャーチをすることがどれほど重大かがわかったことと思います。そうしようと決意する人は手を挙げてください。