統一教会の創立と摂理歴史の主流思想

 

一九九三年五月一日(統一教会創立記念日)

アメリカ・ベルベディアにて


 摂理歴史の主流は創造理想
 摂理歴史とは、神様が万物を創造されたことも入りますが、人間創造以後の堕落を中心とした歴史のことをいうのです。皆さんは先週、み言のプリントをもらいましたか? (はい)。それを読んでみましたか? それはいつのみ言でしたか? 一九七三年、今から二十年前のみ言なのですね。ちょうど、韓国において摂理歴史を中心とした新約完成時代を経て、アメリカに向かって出発した時でした。そして、きのう四月三十日は、私がアメリカに来て永住権を取得した日なのです。
 先生は旧約時代完成と新約時代完成に向かって、すべてのみ言を語ってきましたが、その時々のみ言を統一教会員がすべて実践したかというと、実践できなかったのです。皆さんが先生のみ言や、あらゆる指示事項を実践することができなければ、統一家の人や他の人々がそれを実践して穴埋めをしなければ、その峠を越えることができないということを知らなければなりません。これが蕩減復帰なのです。そのような蕩減を通して平地をつくるのです。
 全祝福家庭は、昨年までのみ旨を成すことができなかったために、その所にみんな止まっているのですが、先生がいるのでこれを越えていくことができるのです。それには、先生がすべてを収拾して勝利したその伝統を、皆さんに相続してあげなければなりません。先生は、その基盤を立てるために迫害を覚悟して戦ってきたのですが、これからの皆さんは、歓迎を受けながらみ旨を成す時が来たのです。
 一九七三年発表した内容は、今日よい環境にある人ほど難しいというのです。今年の標語は何かというと、「新しい家庭と統一祖国」です。新しい家庭とは、以前の家庭ではなく、摂理史において成約時代を迎えることのできる、神様を中心として堕落しなかったアタムとエバが家庭を成したことを意味するものです。ですから、アタムとエバはすべての人々の先祖なのです。家庭、氏族、民族、国家、世界の先祖だというのです。アタムとエバは統一された家庭、氏族、民族、国家、世界の先祖となるのです。そういう意味において、今年の標語は特別な意味を持っているということを知らなければなりません。
 世界、国家、民族、氏族、家庭、個人の根っこは一つであるように、統一された完全な祖国は一つなのです。ですから統一祖国とは、同一の根っこを中心として家庭、氏族、民族、国家、世界が連結しなければならないのです。
 根っこが一つであれば、幹も一つであり、枝も一つであり、葉も一つなのです。このようにして統一が可能になり、世界が統一されるのです。「あなたの根っこはどこですか?」と聞かれたら、アメリカ人は「ワシントンです」と答えてはいけないのです。神様から見た時に、ワシントンが人類の根っこになるでしょうか? これは、韓国人や日本人においても同様です。
「新しい家庭と統一祖国」とは何かというと、成約時代を迎えて、同じ根っこを中心として一つの世界になることができるという意味の標語であることを知らなければなりません。統一個人も、統一家庭も、統一祖国も、統一世界も、統一天宙も、アダムとエバから始まるのです。すべてにおいて根っこは一つだというのです。しかし、その真なる根っこが分からないので、今日、真の父母が現れてすべての偽りの根っこを切り取って、接ぎ木をして統一するのです。ですから、統一原理を見てみると、人間の価値問題や愛の問題など、あらゆる思想問題について一番根の深いものを扱っているのです。それは、神様から始まったものだからです。
 そして、真の父母、真の父母の家庭、真の父母の一族から統一されていくのです。統一祖国とは、単なる南北統一のことをいうのではありません。このことをよく知らなければなりません。今先生が語ったみ言や、この前皆さんに配ったみ言は非常に貴重なものです。そこから、すべての摂理歴史の主流となるべき要点を抜き出し、それに皆合格しなければなりません。
 きょうで世界基督教統一神霊協会が創立されて、四十回目を迎えます。また、三十九周年になります。では、そのような統一教会と先生とでは、どちらが根っこになるでしょうか? (お父様です)。では、神様と私とではどちらが根っこになりますか? (神様です)。すべて、神様から始まるのです。神様はオリジナルの中のオリジナルなのです。そのようなオリジナルの骨となり幹となるのが、摂理歴史の主流なのです。そして摂理史の主流は創造理想なのですが、誰しも創造理想について語っていても、肝心のその内容が分からないのです。これをはっきり知らなければなりません。このことを、私の知り合いのある有名な神学者に聞いてみると、「神様のみ旨は簡単でありながら難しい」と言うのですが、そんな曖昧な話は通じません。誰も神様のみ旨に対する定義を下すことができないのです。それゆえに、キリスト教も多くの教派に分かれるようになったのです。標準となる結論を得ることができなったからです。


 愛の理想完成
 ある原動機を中心としたさまざまな計器があるとすれば、その計器は原動機において絶対的なものなのです。ですから、計器は原動機からの指示に従わなければなりません。もし木でできた原動機でも、それがスタンダードであればそれで十分なのです。それを金や銀で作り直したとしても、標準でなければ無価値なものになるのみです。愚かな者は、よく金や銀でできたものを持ちたがるのですが、問題は誰がスタンダードを持つようになるかということです。スタンダードを持つ者が主人になるのです。
 神様のみ旨といえば、神様が持っている主流思想のことを意味しますが、それは一体何でしょうか? メソジスト教会、カトリック、長老教会にはそれぞれの神学校がありますが、神様のみ旨に対する観点がみな違っているのです。ゆえに今日、キリスト教は喧嘩しながら皆滅んでしまうのです。国家も同じです。そこには、スタンダードがありません。
 神様のみ旨は創造理想完成です。神様は絶対者であられるので、その理想も絶対的に一つであり、二つではありません。それでは、創造理想完成とは何でしょうか? それが四位基台の完成なのです。四位基台完成とは何かというと愛の理想完成なのです。そして、そこでいう愛とは真の愛を指しているのです。その中に、すべてが入るからです。
 この宇宙は、すべてペアシステムになっています。人間の目もペアになっていますが、その焦点は愛を中心として合うようになっているのです。生命も、愛を中心として一つとなった時に生まれてくるのです。神経系と血管系が一つにならなければなりません。内外の関係なのです。男性も、女性も、目や鼻はペアになっているのです。また、女性はよく地のことを考えるので、華麗なる地の色が好きなのです。しかし空中は一色であり、男性は大体グレーやグリーンを好み、そういう色の服を着るのです。さらに女性はよく下に向いて歩きますが、もし背が高かったならばどうなるでしょうか? トイレに行っても大変なことです。女性は小さいので問題が起きないのです。男性が女性よりも背が高いのは、四方を眺めて周囲を守ってあげなければならないからです。
 このように見た時、アメリカの女性は、「私は主体だ」と思う人がいるかもしれないけれど、それは許されないことです。しかし、再臨の時、再臨主を迎える新婦の立場に立つために、女性が世の男性を越える一時期があるのです。それが再臨主の誕生後七十年間であり、天から与えられた特権期間なのです。この堕落世界では、世の男性と一つになるのですが、この期間は天の夫を中心として女性は一つにならなければなりません。それを成すために建てられた国が、キリスト教の代表国であるアメリカなのです。これが神様の摂理なのです。
 そのアメリカは、今どこへ向かっているのでしょうか? 親族関係においても性の秩序が乱れ切って、横的に兄弟姉妹が恋をして、親と子が同棲生活をする中で家庭が破綻されつつあります。サタンが性を利用しているのです。父親が娘を堕落させ、兄が妹を堕落させるということが起きています。これは家庭を滅ぼすためのサタンの作戦なのです。スタンダートになる家庭がないので問題が起きるのです。
 ですから、創造理想、四位基台、愛の理想が何かということをよく知らなければなりません。さらに、宇宙について知らなければなりません。天と地のすべてを知った上で、それがスタンダートになった時、皆それが好きになり、歓迎するようになるのです。統一教会の驚くべきことは、真の愛を中心としてスタンダートにつなげたということです。そうなれば、地上世界の完成はもちろん、天上世界も完成されるのです。神様と真の父母を中心とした真の愛を持つようになれば、天地がついてくるのです。全宇宙が動くのです。
 このようにして皆さんの霊眼が開かれて、植物などを見て「なぜ生きるのか?」と聞いた時に「すべてが愛の為に生きる」と答えるようになるのです。電子は陽子を中心として回るようになっているし、すべてが相対的なのです。このように、宇宙がペアシステムになっているのは愛のためだということを誰も否定することはできません。


 宇宙の根本は何か
 宇宙の根本は何かというと、真の愛なのです。また、神様はなぜ存在するのかというと、愛のためなのです。愛のために神様が必要なのです。神様も愛のために生まれたのであり、この宇宙が存続するようになったのは、そのような愛の干渉があったからです。愛の完成には雄と雌、陽性と陰性がなければなりません。よく分析して見ると、この宇宙の根本は何から始まったのかというと、愛から始まったと言えるのです。科学者たちは宇宙は力によって構成されていると言いますが、力は作用によって出てくるものです。力は作用するのです。では、作用が先でしょうか、力が先でしょうか? 男性が男性として成長する時、そこには愛の力は作用しません。しかし、男性としての必要な作用をしながら成長するのです。
 力が現れるためには、必ず作用の過程が必要であり、力がある以前に作用が必要なのです。では、その作用はどこから来るものでしょうか? 作用は主体と対象から来るのです。ゆえに、人間もすべてがペアになっているのです。目も、鼻も、焦点に合わせるためにペアになっています。主体と対象がなぜ必要なのかというと、愛のためです。愛の干渉によって主体と対象が生まれ、主体と対象によって作用が始まり、そこに力が生じるのです。今日の科学者たちは、その片方しか見ていなかったのです。ですから、主体と対象がある以前に愛がなければならないという結論をつけざるを得ません。
 宇宙はすべてこのような枠内に入るのです。鉱物の世界にも、このような作用があり、植物世界、動物世界、人間世界も、すべてが主体と対象の作用によって存在しています。皆さんはこのように、スタンダードになるものを教えていただきながら月謝を払いましたか? (払いませんでした)。ですから、分からないのです。月謝を払いながら教わるべきなのに、月謝を払わないので無価値なものだと思うのです。お金で愛を買うことができますか? 
 男女二人が道端で会っても、互いに恋に陥ると、数億ドルの財産であっても、それを持って相手について行くようになるのです。アメリカ一の金持ちの娘であっても、愛する人ができれば自分の全財産を持ってついて行かざるを得なくなるのです。愛の泉は汲めば汲むほどに喜びの世界なのです。世界中を飛び回りたいほどの喜びの世界なのです。そのような世界では、星も踊り、神様も踊るのです。
 皆さんもそのような愛の泉の世界が好きですか? (はい)。もし、アメリカの国民の二億四千万人が愛の泉に入るとすれば、一人でも反対する人がいるでしょうか? 先に入ろうとお互いに割り込みをするようになるのです。しかし、そうしてはいけません。愛の世界は順序よく入らなければなりません。ですから統一教会の食口は、入教日が問題になるのです。いつ入教したのか? 一分一秒でも先に入った者が兄になるのです。その人が大統領であっても、弟は兄になることができますせん。弟は兄に「私の指示に従え」と言われたら、「嫌です。私は大統領なので従うことができません」と言えるでしょうか? 言えないのです。このようなことをすべて整理してあげなければなりません。
 科学者たちも、力が存在する前に主体と対象があるのですが、その主体と対象は愛のためにできたものだということを知らなければなりません。先生と関係のある学者でノーベル賞を受賞した人は大勢いますが、このようなみ言を聞くと、自分たちは今までそのようなことは知らなかったというのです。
 皆さんは最高のものを教わっているということを知らなければなりません。学者たちは、学問のために犠牲を払い努力をしてきましたが、皆さんは犠牲をも払わずただ入教して来た幼い小学生のようなものです。ですから、悟らせるためには、苦労をさせなければならないのです。愛のゆえに、あらゆるものが成り立つのです。気持ちいいですか、悪いですか? (いいです)。このような話を聞いて神様は、「ベルベディアのレバレンド・ムーンは、早くつまらない話をやめて退きなさい8」と言うでしょうか? 気持ちがよくて、目も鼻も口も腕も髪の毛も細胞も、すべてが喜んで踊りだすというのです。


 愛の力
 皆さんは何のために生まれたのかというと、愛のために生まれたのです。先生が「この者。君たちは愛のために生まれたのだ」と鞭打ちながら言ったとしても、「はい、そのとおりです。打たれても幸せです」と言わなければなりません。道端で子犬と会って、食べていた牛肉などを与えると、人の顔も見ずにすぐついて来ます。それは、子供のためにありとあらゆる世話をしてきた親に対して、新しい愛の相手が出てくると、親元から去っていく子供の姿と同じなのです。このように、愛は親を捨ててまでも従っていく力を持っているのです。愛の力は、国であっても売ってしまうほどなのです。ゆえに、政略結婚という言葉も生じたのです。イギリスの王様エドワード八世は、アメリカ生まれのシンプソン夫人と恋に陥り、その王権まで捨てたのです。
 皆さんは愛の話を聞いて喜んでいますが、このような愛の話をいかに面白くするかが先生の課題なのです。でなければ、先生の話は失敗です。宗教指導者で、人前でこのような愛の話をする人はいないというのです。哲学も宗教も政治も経済も文化も、すべて愛でもって論じられる時に天下が幸福になり、平和と笑いの世界になるのです。
 では、その愛はどのような愛かというと、自分のための愛は滅びるのであり、他のために生きる愛のことをいうのです。先生の語る愛の話は、為に生きる愛しかありません。今までは自分のための愛だったので、すべてが滅びたのです。為に生きる愛こそが滅んでいく者も蘇らせ、破壊された者も復興させ、別れた者も一つにする力を持っているのです。
 今日の世界は、中世の神本主義から人本主義、物本主義に至っています。物本主義は破滅主義です。この破滅主義は女性を弄び、男性を弄び、国を弄び、世界を弄び、天地を弄んで、すべてを否定してしまったのです。それがヒッピーたちなのです。ですからヒッピーは、女性にも、男性にも、世界にも、天地にも、すべてに嫌われて一人ぼっちにならざるを得なくなるのです。
 ある人が、世界のために生きたならば、世界がその人を記憶するのです。アメリカのために生きた人は、アメリカが記憶するのです。社会のために生きれば社会が、家庭と氏族のために生きれば、家庭と氏族がその人を記憶するようになっているのです。孤立した者が自殺にまで至る実例は多いのです。神本主義、人本主義、物本主義、破滅主義に至って今世界は壊れつつあるのです。破滅主義には、国を愛する忠臣の愛自体までも切られるのです。なぜ、そうように滅びていくのでしょうか? これが問題なのです。誰がそのようにしたのでしょう? 歴史は、人の願いによって動くのではありません。神様が宇宙の主人としておられて、すべてのことを導かれるからです。
 自分のために生きる愛の世界は、神様に反するサタンの世界なのです。他のために生きる愛の世界が天国なのです。ですから、これらをすべて清算して新しくしなければなりません。ここから真の父母、真の兄弟が生まれてくるのです。すべてを清算しようとするので根がなくなるのです。それで、枝から落ちた実のように、地上に転がっているのです。そして、いっぺんに腐ってしまうのです。
 この世界は、もはや行く道がありません。アメリカ、イギリス、日本、ドイツなど、先進国と言われてはいるのですが、もう行くべき道がありません。人間には感情というものがあり、高次元の宇宙に通じるアンテナがあるので、もしそれらがすべてなくなれば、それを補うために麻薬を吸ったりフリーセックスを行ったりするようになるのです。しかし、それらでもって補うことはできません。それを行えば行うほど、陥っていくのです。フリーセックスを行えば皆、罪意識を覚えるのです。そして、罪意識から逃れるために幻覚剤を飲むようになり、感情は陶酔状態に陥っていくのです。


 真の父母と成約時代の出発
 そのようなことを考えた時、真の愛とは、いかに高次元のものでしょうか? 真の愛には、天地の鳴る音がするのです。ボリュームを上げたラジオのスピーカーのような大きな音がするのです。それに線でつなぐと、宇宙全体が鳴るのです。その力の前には、すべてが溶けてしまうのです。真の愛には、宇宙が踊りを踊るというのです。ツイスト・ダンシングなどではなく、逆立ちして踊るほどなのです。
 皆さん、破滅主義がいいですか? 滅亡主義がいいですか? 破滅主義といえば打たれて滅びることですが、滅亡主義といえば自ら滅びることなのです。皆さん、どちらを選びますか? (前者です)。なぜかというと、神様は敵討ちをしないからです。自然屈服なので、破滅主義よりも滅亡主義のほうがいいというのです。ここに、滅亡主義という新語がつくられました。既存のあらゆるものを否定してきた神様の歴史は、世界的に逆蕩減の歴史なのです。
 堕落によって、二つの世界に分かれてしまいました。それがカイン圏とアベル圏です。第二次世界大戦以後の先生の出発とともに、キリスト教文化圏を中心として、この二つの世界が一つになるべきだったのですが、キリスト教の反対によってできなかったのです。ですから、ここで再びお母様を立てて、カイン圏とアベル圏を一つにして、正に「真の父母と成約時代」が出発するのです。ここまで至るには、さまざまな反対がありましたが、結局は歓迎されるようになったのです。反対する所にはレバレンド・ムーンが行って、すべてと戦い、世界まで勝利して、再び帰ってきて新しい出発をするのです。「真の父母と成約時代」を発表することができる時代になったのです。
 これからのレバレンド・ムーンは、どこへ行っても歓迎を受け、サタン世界はなくなるのです。今までの統一教会は、原理よりも、堕落世界で人間を中心として反対されながらも、四十日修練会の講師たちによって成り立ってきました。しかし今からは、特定の国や人が代表となるのではなく、平等な時代になったので還故郷するのです。そして、家庭が世界を代表し、国家、民族、氏族を代表することのできる時代になったので、これらを平準化することのできる何かがなければなりません。
 エデンの園で堕落したものの根源を探し出して、神様の新しいみ言を中心として、家庭からの出発をするのです。そこでは、人が中心になるのではありません。成約時代は、二百巻以上の先生のみ言選集と原理講論を中心として、家族が一つになるという時なのです。ですから、他のものは必要ないのです。み言集と原理講論に基づいて、真の愛をもってサタン世界と戦えば勝利するのです。み言と原理が分かれば、サタン世界が侵入してくる道から逃れることができるのです。
 創世以後、さまざまな復帰路程を歩んできながら、その時々に反対された内容を皆さんがすべて知ることにより、先生の代わりに行くべき自分の一生が分かるのです。アダムとエバは、善悪を知る木の実を取って食べないようにという個人成長のための戒めを受けたのですが、私たちの統一教会においては、個人成長のための戒めではなく、家庭、氏族、民族、国家、世界、天と地の成長のための戒めなのです。これがいかに貴重なものであるかということが分かっていないのです。
 私たちは、アダムが堕落したということをはっきりと知っています。アダム家庭を復帰するためにイエス様が来られたということも、聖書の中のあらゆる教えも知っています。イエス様の時代において、世界まで復帰しようとしたのです。
 この宇宙はプラスとマイナスの概念がなければ存在できません。プラスとマイナスのペアシステムに背馳するものは、すべて追い出されるのです。そこにかかる圧力は大変なものであり、プラスとマイナスのバランスが崩れる時、痛みを感じるようになるのです。病気などは、そのようなバランスの崩れから来るものです。すべてがペアシステムなのです。なぜかというと、宇宙からの保護を受けるためです。ですから、父親と母親が喧嘩する家庭は滅びるのです。縦的に分裂する家庭は滅びざるを得ないのです。
 人類歴史がなぜ滅んでいったのかというと、天の中心なる力によってすべてコントロールされているのですが、そのセンターとなる人がどんなにしっかりしていても、相対になる人間がいなければ、すべて滅んでいくのです。ですから、滅びないようにするためには、創造原則に一致しなければなりません。このレバレンド・ムーンは、自分自身のために生きるのではありません。統一教会の人と世界のために生きるというのです。先生の教えのとおりに、為に生きれば、この統一教会は滅びません。いかなる反対や迫害を受けても滅びません。


 永遠に神様と共に生きる成約時代のスタート
 神様も、先生も、お母様も、統一教会も、すべて投入して忘れる時にどうなるかというと、満ちあふれる水の受け皿はいくらでもあるように、霊界は無限なる世界なのです。私たちの故郷は、そのように大きく広い世界なのです。そして、そのような世界を活動舞台とするので、心も世界的であり、宇宙的でなければなりません。個人主義は、地獄のような世界です。アメリカのシンボルである鷲を鳥籠に囲い、餌だけ上げてみなさい。それはどんなにかわいそうなことでしょうか。もし鳥籠を開けて大空に放してあげれば、鷲はいかばかり感謝することでしょうか。もし鷲に心があるならば、「アアー」と叫びながら、まず神様の所に行ってお辞儀でもしたくなるでしょう。皆さんもそのような心になっていますか? 皆さんは統一原理を聞いて解放されましたか? (はい)。どのくらい解放されましたか? アメリカの鳥籠に入って住みたいですか、レバレンド・ムーンの鳥籠に入って住みたいですか? (レバレンド・ムーンの鳥籠に入って住みたいです)。レバレンド・ムーンの鳥籠は、アメリカの鳥籠にくらべたらどれほど大きいでしょうか?
 今年の年頭標語は、「新しい家庭と統一祖国」です。私たちの家庭、氏族、民族、国家、世界、天宙が完成すれば、神様の解放はもちろんであり、永遠に神様と共に生きることができるのです。そのスタートが、成約時代完成なのです。
 再臨メシヤはアダムとイエス完成のために来られます。再臨メシヤとイエスとアダムにおいて、天の摂理の主流は同じなのです。統一教会の創立についてもなぜ統一教会が現れたのかというと、統一教会は神様のみ旨である創造理想、四位基台の愛の理想を求めていくためです。摂理歴史の主流思想は何かと言った時、おおむね四つに分けることができます。これは、創世以前の主流思想であり、長子権復帰、父母権復帰、王権復帰、(天的)皇族権復帰がそれです。この四つの中にすべてが入っているのです。歴史は今まで善悪の闘争だということを知りませんでした。ですから、精神が先か物質が先かという問題で長い間戦ってきたのですが、それは原理を知らなかったからです。
 もし、人間始祖が堕落しなかったならば、長子権、父母権、王権、皇族権の復帰が成されて、地上天上天国は完成していたはずですが、堕落によって、それを失ったがゆえに歴史は逆に流れるようになったのです。長子と次子を中心とした長子権は、いっぺんに父母権、王権、皇族権につながり、天国を成すことができたのですが、すべてを失ってしまったので、長子権を取り戻さなければ理想世界は成り立ちません。アダムが長子、父母、王、(天的)皇族にならなければなりません。もしアダムが堕落しなかったらば、その兄弟姉妹は皇族となるのであり、長子権を完成したならば、父母権、王権、皇族権を中心として一つの世界となるのです。根っこは一つであり、二つではありません。
 皆さんが統一教会員になったということは、長子権を持つことができたということになるのです。堕落の血統から脱して、真の父母になることができ、天国の王権を相続することができ、(天的)皇族圏内に入ることができるようになるのです。創世以降先生が現れるまで、天はこの長子権復帰のために、数千万年間苦労してきたのです。人類歴史は六〇〇〇年ではないのです。歴史時代において生死したすべての人々は、真の愛がいつこの地上に現れるかと、その日を待ち望んできたのです。アメリカの大統領も、国民も、堕落の後孫なので、真の愛を受け入れざるを得ません。偽りの愛によって生まれたので、真の愛を持たなければ天国に入ることができないのです。再臨メシヤは真の愛の種を持ってきます。世界がどんなに大きくても、真の愛の種を通して接ぎ木しなければ天国に入ることができません。
 では、天国はどんな所でしょうか? イエス様は、「私たちの心の中に天国がある」と言われました。しかし、それは正確な答えとは言えません。天国は真の愛を中心として生きた者が入る所なのです。天国は家族全員が入る所です。その天国に入るためには、神様のように世界と宇宙を愛さなければなりません。神様は私たちの友であり、パートーナーであり、主人なのです。
 そして長子権復帰のためには、女性であれば堕落世界のすべての女性や、どんなに男性から反対されても、戦って勝利する自信を持たなければなりません。すべて、自然屈服するようにしなければなりません。皆さん、天国とはどんな所か分かりましたか? (はい)。
 かつて先生が監獄に入った時、先生を亡くそうとしてさまざまな謀(はかりごと)が行われましたが、先生は逃げずに正面衝突していったのです。共産主義、滅亡主義、裸主義などに、正面衝突していったのです。皆さんの中で決して再び堕落したくないと思う者は手を挙げてください。本当にそうなりますか、ただの願いですか? (本当にそうなります)。


 摂理歴史の主流思想
 それでは、皆さんは世界の責任者になりたいですか、国の責任者になりたいですか、村の責任者になりたいですか? 町の責任者になりたいですか、市の責任者になりたいですか、どうですか? (世界の責任者になりたいです)。この者たち! 欲張りは、その欲によって倒れて死ぬのです。このような者たちをどうしたらいいのでしょうか? 世界に対してすべて勝利した今日、皆さんは原理を探し出した先生の四十代の時より、もっと強い素晴らしい勝者になりますか、それとも敗者になりますか? 今はどういう時かというと、「ああ、この時代に合わせて、よくも私は生まれたものだなあ」と思い、時間がたつのを惜しみ、「もしも沈む太陽を止めさせることができれば、天下統一は問題ではないのに…」というくらいの度胸を持ち、寝ることさえも忘れて走り続けなければならない時なのです。
 統一教会の創立は何のためかというと、堕落により失われた創造理想の四位基台を取り戻すためなのです。これが「摂理歴史の主流思想」です。真の愛がその中心になるのです。このように見た時、万人が統一教会を歓迎すべきでしょうか、排斥すべきでしょうか? (歓迎すべきです)。レバレンド・ムーンと統一教会の復活は、世界復活に比例するということを知らなければなりません。
 レバレンド・ムーンと統一教会は主体(プラス)、世界は対象(マイナス)になり、この主体・対象(プラス・マイナス)が神様を中心として一つになってさらに大きくなっていくのです。そして頂点に至ると、再び下りてくるようになるのです。そうなると、世の中の富者と貧者の置き換え現象が起こるのです。籤を引いて富者と貧者の位置を置き換えるようになるのです。アメリカの百万長者とアフリカの貧乏人とが互いにその位置を交換しても、それに感謝しなければなりません。「ああ、兄弟姉妹はこんなにも貧しい生活をしていたのだなあ。これからは、彼らが苦しんだことを私が苦しみ、彼らが愛したものを私が愛しよう」と思った時、あの世界に行っても地獄のない世界に住むことができるのです。こんな話を聞いてみると気持ちがいいですか? (はい)。
 統一教会の創立の意義は、神様のみ旨である創造理想、四位基台の愛の理想を中心として、長子権、父母権、王権、(天的)皇族権復帰への主流思想に帰るところにあります。そのための全責任を持っているのが統一教会なのです。来年は統一教会の創立以後四十年目になります。ゆえに「真の父母と成約時代」を宣布しなければならないのです。そうすれば、世界は自然に一つの王権になります。民主主義は兄弟主義なので、戦わなければならないのです。神主義は父母主義であり、父母主義は真の愛主義なのです。そこまで行けばすべてが終わるのです。そこにスタンダードを立てて、それにそってすべてを整理しなければなりません。神様において主流は一つしかありません。哲学的に思想的に世界万民を解放することができる権限を持ったのがレバレンド・ムーンの思想であり、神主義であり、真の愛主義なのです。
 個人、家庭、氏族、民族、国家、世界、天宙、すべて家庭につながっているのです。ですから、家庭を中心として完成しなければなりません。先生がすべてに戦って勝利したので、家庭と個人の心と体とをいかに完成するかが最後の皆さんの宿題なのです。勝利圏にはサタンが侵入できません。そのセンターには真の愛があるのです。プラスとマイナスが一つになって、三段階で完成するのです。その意味が分かりますか? 皆さんの家庭は左翼と右翼、天と地のすべてを代表しているのです。ですから家庭の完成は世界の完成であり、国家、民族、氏族、個人の完成につながるのです。皆さんは祝福家庭でしょう? 時間を大切に働かなければなりません。世界のために生きなければなりません。
 きょう統一教会の創立第三十九周年を迎えて、すべてを整理して語りました。これから先生は解放されるのです。今回の講演日程が終わればアメリカと先生とは関係ありません。世界と先生とは関係なくなります。「さよなら」しなければなりません。すべて理解できたと思いますので、これからは自信を持って揺れないでください。今まで揺れたことはすべてを許してあげます。すべてを知ってから揺れることは許されません。このように万物が生い茂る五月を迎え、皆さんの心の窓をいっぱいに開いて、自由天地に向かってかっ歩する希望の氏族的メシヤ、さらに民族的メシヤになりますことをお願いいたします。
「私は間違いなく先生のみ言に従い、先生の代わりになって、アメリカの地に先生がいらっしゃらなくても後孫たちの前に、先生以上に力強く前進する先祖となります!」と、誓う人は手を挙げてください。(はい)。ありがとうございます。神様の祝福が皆さんと共にありますように ――